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「これで、本日はおわりだ。それぞれ寮で夕食時に親睦会があるだろうからその時間までは自由時間だ。学院内を見学するも良し自室でゆっくりするも良し、親睦会までには寮にいるように。では解散」
ミラウス先生がパンパンっと手を叩くとそれぞれ散らばっていく、
「あ、クラリエ・ベルメールは少し話があるからついてこい」
少しほっとした。
ミラウス先生が解散と言った途端、特に私を睨みつけていた令嬢たちが今にもこちらにやって来そうだったのだ。
先生について渡り廊下を渡って隣の建物に、
「ここに入って」
面談室とプレートの付いた部屋へと一緒に入った。
「ここは、教員棟の面談室ね。先生に呼び出しされる時とかに使う場所。教室がある建物はそのまま教室棟。」
うーん、と唸りながら私が自己紹介した後みたいにくしゃくしゃと髪の毛を掻き回す
「…えーと、私は何故よびだされたのですか?」
「あぁ、ほら、令嬢たちに目をつけられてただろ?あのままじゃ何言われるか分からなかったからな。」
思った以上に、ちゃんと見てくれる先生のようだ。
「気にかけていただいて、ありがとうございます」
「いや、あと注意をしたかったんだ。」
ミラウス先生はまた眉間に皺を寄せた。
「何かいたらないことが…?」
「違う、殿下の事だ。ベルメールに悪い所があったのではないが、殿下から声を掛けられたことによって君は令息、令嬢たちに目をつけられてしまった…」
入学早々の幸先の悪さに苦笑いする。
「元々、貴族と平民が混じるこの学園は貴賎問わずと言いつつもやはり格差が出る。
どうしても平民を見下す貴族は一定数いる。もちろん見下さない者もいるが大多数はただ興味が無いというだけだ。平民と言うだけで嫌がらせを受けたりする者もいるが、君はその中でも…言い方は悪いが孤児だ。
平民の中でも君を見下す者は現れるだろう。
元々サポートするつもりではいたが、殿下の発言によって思ったより早く孤児院出身という事が知れ渡ってしまった」
「…はい」
「賢い君なら分かるだろうが、きっと避けられるものでは無い。早々に嫌がらせは始まるだろう。
それに教員にも平民を冷遇する者がいる。
殿下の発言は予想していなかったんだ、殿下自身は悪気もない…悪い方では無いと願っているが生まれながらにして王族であるから、察する能力が身につく前に周りが察して来たのだと思う。」
充分に悪目立ちをしてしまったようだ。
ミラウス先生の言葉で最早平穏な学院生活は遥か向こうにあることを知った。
「もし何かあれば、すぐに俺に相談するといい。
情けない事に俺は、そんなに強い立場にいる訳ではないから助ける事が出来ないかもしれないんだが…」
はぁと大きくため息をミラウス先生が吐き出す。
「いえ、その言葉を聞けただけでも安心です。何かあったら先生に相談します。」
「あぁ、遠慮なく相談してくれ。」
軽く雑談をした後、面談室を出て寮に戻る。
聖ファミテール学院には四つの寮が存在する。
1つは貴族の子息達が生活する絢爛豪華なファミテール寮、もう1つは学院に通う平民と入学した貴族達の侍女が寝泊りするシンプルな学院特別寮だ。
それが、男子女子でそれぞれ別れており、四つの寮となっている。
もちろん私が入寮するのは女子学院特別寮である。
…
…………
「…駄目だ、迷った」
まだ教室棟からなら迷わずにたどり着けたのかもしれないが、ミラウス先生と別れて教員棟から出たものの入った時の入口とはまた違う出口で、何やら緑で生い茂っていた。
幸い寮がの親睦会などは夕食時なので時間は余裕があるが、広すぎる学院内で全くもって現在地が検討つかない。
人の踏み入った道のようなものが続いているが、明らかにこの先には寮はなさそうである。
「あ、猫」
白いしっぽをゆらゆらさせてこちらを振り返りながら猫がこちらを見ている。
孤児院の近くでもよく見かけたが、学院に住んでる猫は毛並みも肉付きも良さそうだ。
「ほら、こっちおいで」
呼びかけるとすぐ足元へ寄ってきた。
昔から何だか、人より動物に好かれやすい。
それに何故か気持ちや言いたい事がなんとなん分かるのだ。
「それにしても懐っこいなぁ…?」
足に寄ってきた猫を抱き上げ、前を見ると今度は黒いぶち柄の猫がいた。
「あら、かぞく「そこで何をしている?」
後ろから男の人の声がしたので振りむ、
「うわっ、妖怪猫まみれ」
「…何をしているのかと聞いたんだ。」
後ろに居たのは、肩と腕そして足元に猫を5匹くっつけたやけに白っぽい月のような男だった。
キーワードにもふもふって入れていい??
あと2話くらい時間置いて今日中に投稿するかもね




