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ひと匙の奇跡  作者: 浅華
平穏は遥か向こうにあるようだ!
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シスターは、「創造主様は全てを見ておられる」と仰ったが本当にそうなのだろうか?


確かに見ておられるのかもしれないが、些細なゴマ粒のように私なんかの存在は認識していないのではないか?


まあ、そんなふうにひねくれたことを考える私だからこそ、創造主様とやらは見捨てておられるのかもしれないな、なんて。





ぽたぽたと頭からしたった水か髪の毛を伝い、地につけた手に落ちる


黒く何かの匂いがする水の臭いに思わず顔を顰める。


「あら、何かしらその顔は」


上から声がして、その声の周りでクスクスと嘲笑が広がる


「不満があるのかしら…?、汚い貴女を洗って差し上げようとしたのに…」


さらに穢れた汚い言葉が投げかけられると思ったその時


ふと視界の端に、まるで夜空の月のような優しい光が見えた____












「入学おめでとう!

聖ファミテール学院は君たちの入学を歓迎する!」


口髭の立派な学院長とやらが壇上の上で声を張り上げ挨拶をしている。


お偉い学院長さまはこの3年間は身分の貴賎など関係ないと仰っているが、既に目に見えない身分格差は入学式が執り行われる集会所に広がっており、

声高々と宣言する学院長の壇上の近くになるほど高位貴族が、端に後に向かうごとに下位貴族、平民と皆何となくそんな配置で話を聞いている。


その一番端の端にいるのが私、クラリエ・ベルメールである。


平民は全体で見れば一学年にそれなりにいるはずである。


しかしながら私は、その中でも史上初の孤児院からの入学者である。


まぁ見た目からは孤児だということは分からないであろうが。


やっかまれるのは目に見えてわかっていたので、孤児院のシスターから目立たぬようキツく言い聞かされていた。


なのでそれとなく空気を読み、孤児である私は、自ら一番端の1番後ろにいる。


しかし、どうしても私は目立ってしまうらしい。


周りは平民ばかりであるが、この場所と髪色が目立つらしくまさに貴賤関係なく私は視線を集めていた。


この国では高貴な身分の方程、髪の色が明るい傾向にある。


平民らしき者の中にも明るい髪色はいるにはいるが、私のように平民にしては色が薄く、かと言って貴族と違ってくすんでいて、まるで老婆のように()()()この白髪のような髪は中途半端で異物に見えるようだ。


かといって髪色にあった場所に移動しても後に孤児と分かるとどんなイチャモンをつけられるか分からない。



やがて入学式が終わると、高貴な身分の方々から、集会所を出て行き、それぞれの教室に向かう。


私は最後に出たので、教室に着いたのも最後だったようだ。


私が入った途端、シーンと教室が静まり返ったが、ザワザワと再び教室は騒がしくなった。


私が振り分けられたのはAクラス、成績順にクラス分けがされる聖ファミテール学院で、一番優秀とされるクラスである。


空いているのは1番後ろの席だけだったので、その席についた。


近くの席にはは3人ほど髪色の暗い平民と見られる生徒がいた。


隣の女の子に小声で話しかけられる、


「ねぇ、私サージュっていうの。制服の生地を見るに、平民でしょ?Aクラスの平民同士仲良くしましょ。」


形や色は変わらないが、財力的な問題で平民と貴族は制服の生地が違う。


可愛らしい頬笑みを浮かべてサージュは話しかけてきた


「よろしく、サージュ。私はクラ」

サージュに自己紹介をしようとした時、教室に教師と思われる男が入ってきて周りが静かになったので思わず黙る


後でね、と気持ちを込めて目配せをしてから前を向く。





Aクラスの担当教諭は、__ミラウス先生というらしい___軽い自己紹介と入学のお祝いを告げたあと、名前を呼ばれた順に自己紹介を促した。


一番最初に名前を呼ばれたのはイエローブロンドのキラキラしい男だった。


「ハルバート・フォン・ドネート・ファミテール殿下」


「はい。ハルバート・フォン・ドネート・ファミテールです。皆さんご存知の通りこの国の第2王子です。学院長のお言葉通りこの3年間は身分の貴賎関係なく幅広い交友関係を築こうと思っている、なのでよろしく頼む。」



第2王子殿下がニコニコそう仰ると、クラスの高位貴族を中心に拍手が響いた。


ミラウス先生は少し変な表情をしたあと、拍手が鳴り止むと次の人を促した。




……


「じゃ、最後にクラリエ・ベルメール」


「はい、クラリ「あぁ!」


私が自己紹介しようとすると、誰かに遮られた


「あら殿下、どうされましたの??」


どうやら遮ったのは一番最初に自己紹介をした第2王子殿下だったらしく、近くの令嬢がどうしたのかと問う。


「いや、どこかで聞いた名前だと思ってね、試験で満点をとった史上初の孤児院からの特待生だよね、自分でも賢いと自負していたけれど僕でも満点は難しいのに凄いなと覚えていたんだ。」


「まぁ!」


殿下の周りの子息達が嘲笑う、きっと孤児院という部分に反応したのだろう。


見下げた視線が突き刺さる。


「…そうか、そうだよね、同じクラスだね!君から学ぶことは多いだろうね、仲良くしてくれると嬉しいよ」


その第2王子殿下の発言で空気が変わった。


先程、馬鹿にした視線を送っていた貴族達は、親でも殺されたかのように私を睨んだ。


第2王子殿下の発言を無視する訳にもいかず、応えるように皆さんよろしくお願いしますと言った。


第2王子殿下は相変わらずニコニコとしているが、ミラウス先生は眉間に皺を寄せて、髪の毛をクシャクシャっとかいたあと、学院生活についての話を始めた。


隣の席のサージュは気まずそうに私から視線を逸らした。



どうやら、シスターの言いつけの通り目立たずに学院生活を送るのは無理なようだ。













主人公めっちゃ言葉遮られんジャーンwwwwwww





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