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殿下に早く自分の席に帰って欲しいと思うものの、話の流れを切ることができない、
「…殿下、そろそろ先生が来られます」
いつも殿下の側にいる生徒が声をかける。
他の貴族は親の仇のように睨んでくるが、この側近?さんはいつも憐れむような目で見てくる。
名も知らぬ側近(?)さんありがとう…!
「そうだね、また後でベルメールさん」
「…はい」
後でなんて嫌だぁ!
「あ!そうだクラリエさんって呼んでも?」
ひぇっ
(まぁ!)
多分今私は令嬢たちの眼光で射殺された。
クラス中が張り詰めた空気の中、パンパンッと手拍子が聞こえて全員の視線がそちらに向く。
「おはよう〜席に着いてくれ〜」
ミラウス先生がどこか遠くを見ながら呼びかける。
殿下に対し返事をせずに済んで良かった。
まぁ、それ以外が酷いのだが。
皆が席に着くと、ミラウス先生は今日の予定について話をする。
「全員席に着いたな、では来週の実力試験までの予定について、説明をする。」
実力試験は、入学試験と違い、基礎的な事に加え今からの1週間でそれぞれの科目のさわりを学び、それに対する理解度や元よりある知識の足並みを揃える為の試験である。
入学試験自体高等かつ難易度の高いものであるが座学だけで、実力試験には体力、魔力、剣術、など細かく測定がされる。
「基本は今のこのクラスで授業を受けることになるが、魔力や体力の測定結果、試験結果次第では授業毎にそれぞれの能力に合わせてまたグループ分けされる。」
ミラウス先生は魔法学の先生で、私たちのクラスでは術学史について教える担当となっている。
今日から始まる授業は各クラス、担任の先生の受け持つものから始まるらしい。
教卓の上に積み上げられた教本、全て同じもののようだ。
「各授業で配られるだろうが、初めの授業では教本が配られる。まず術学史の教本を配る。ーー拡散」
先生の魔法で生徒たちそれぞれの前に積み上げられていた教本が一斉に移動した。
「よし、行き渡ったな。最初のページを開いてくれ。」
詩だろうか…?いやシスターに昔聞かされたおとぎ話みたいだ。
「えーと、…キミ、読み上げなさい。」
「は、はい!……
遥かに太古のお話です、創造主さまは世界を作りました、初めは何も無い無から入れ物を作り、色んなものを入れてその入れ物ーーー」
ミラウス先生は前にいる生徒を適当に指名し読み上げさせる。
シフターから聞いた話はもっと噛み砕かれているが、同じような夜伽話だった。
「皆も知っている者がほとんどだと思うが、これの噛み砕かれた話が貴賎問わず子供にする夜伽話として知られている。教本の最初に載っているこの話は各地の言い伝えや噂、夜伽話を元に昔の偉い学者さんが作られた本の冒頭から抜粋されている。この人の本はいい加減な内容がまぁ多いが、始まりの部分だけは誰も否定する者がいない。全てはこの話から始まったとされている。」
ミラウス先生は非常にわかりやすく、その後も授業を進めた。
始まりに関する話は皆からしたら眉唾物みたいだが、孤児院育ちの私としては、神父様の説く創世神話と通づる物が多く馴染みやすく、あれはそういう事だったのかと納得できるものが多く面白った。
短いねぇ…それにしてもお待たせしました。
面目ない。
やっと0?部分の回収できた!(まだできてない)




