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新住人!

何件かの評価ありがとうございます

 ドンドンドンドン!

 

 「起きてアルメン!仕事だぞー!」

 

 ドンドンとけたたましくドアを叩く。

  

 あの後クラリスの応急処置を終えたものの、イールを運んだ時のような真似はクラリスの体に負荷がかかると判断し、負担がかからない限界ギリギリの速度で急ぎ王都まで帰還した。

 それによって到着した時には既に日付が変わる時刻となってしまった。

 

 「早く起きなさーい!急患ですよー!!」

 「師匠!さすがにもうちょっと静かにしないとアルメンさん以外にも迷惑ですよ!」

 

 アルメンさんにも迷惑をかけないほうがいいと思うのですが…と内心ツッコミを入れるクラリスだがグッと飲み込む。

 そんなやり取りをしていたその時。

 おもむろにニーナの態度が悪化していった。


 「起きろって…」


 ぷるぷると体を震わせ何やら怒り心頭のご様子。

 背中に乗っているクラリスの顔が蒼白に変わる。


 「起きろって言ってんだろうがあああああああああ!」


 その言葉の瞬間、回し蹴りを決めていた。

 扉を壊し、そしてアルメン医師と思われる方も一緒に。

 深々と腹部に突き刺さる蹴りによりアルメン医師は吹き飛ばされる。


 「てめぇ!いきなり蹴りくれるとは何様だこのやオロロロロロロロロ」


 強烈な蹴りを寝起きの腹部に直撃され、思わずその場で吐瀉してしまう。


 「いやごめん、扉だけ蹴破ろうとしたんだよね」

 「ふざけるな!なんでお前の都合でうちの扉を破壊されにゃいかんのだ!」

 

 至極真っ当、立派な器物破損だ。

 

 「いつもいつも面倒ごとばかり持って来やがって!まーた誰か怪我させたんか?!」


 それを聞いたイールは呆れる。

 この人いつもこんなことしてるのか…アルメンさん、可哀そすぎる。

 だけど、今回ばかりは起きてもらわねば困る、すぐにでもちゃんとした治療をクラリスさんに受けてもらわねば。


 「私のことなんだと思ってるの?!この子よこの子!」

 

 そう言いながら体を横に向け背負っているクラリスの怪我を見せる。

 その瞬間、アルメンの表情が一変、医師としての責任感に駆られる。


 「おいおいこりゃひでえな、つかニーナおめえさんもかなりの深手じゃねえか、しゃーねえな入んな」

 

 案内され治療を受ける二人。

 クラリスの傷はとにかく数が多く、中には直接受けたひっかき傷のような深めな傷もあった。

 そして右足首にひと際深い傷が化膿していたため、非常に良くない状態だったみたいだ。

 ニーナの傷に関しては…


 「おめえ…なんで平気な顔してられんだ…?この傷骨まで達してるぞ…」


 疑問と呆れと畏怖を抱きながらジト目を向けてられる。

 イールは『はぁぁ…』と深い嘆息と共に呆れてしまう。

 クラリスは自分のせいでそんな深い傷を負ってしまったのだと謝罪を続けている。

 

 「へー」

 「へーってどうなってんだお前さんは…常人なら痛みで転げまわる深さだぞ。つか簡単な治療でどうこうなるもんじゃねえ、こっちに来い。」

  

 ベッドに寝かされ、傷を負った左腕を台の上に投げる。

 本来相手の行動を無力化するために使われる『パライズ』の魔法を左腕だけにかける。

 麻酔効果をもたらすためだ。

 

 「ったく毎回毎回面倒ごとを運んできやがってよ、こっちの身にもなれってんだ…こないだお前が蹴り飛ばしたって言ってた、何だっけか…エルフの小僧も鼻の骨が砕けてたしよ」

 「あードリアンさんね、あれはあっちが悪いんだ。私からは吹っ掛けてないよ」

 「だからと言ってやりすぎだ!」


 あの事件の治療はこの人だったのか。

 というか師匠は一体どれだけの人をぶっ飛ばしているのか…


 「そもそも!私は自分から喧嘩売った事なんてないからね!面白半分で喧嘩吹っ掛けてくるバカとか!ナンパ野郎とか!こっちだって巻き込まれてるんだよ!」

 「わーったから!動くな!」

 「でもナンパ受けた時の対応自体は師匠が9:1で悪いです」

 

 思わず横やりを入れてしまうイールの発言も当然と言えば当然だ。

 ブ男は話しかけるな。

 そんな一言を浴びせて激高した人たちが詰め寄り、師匠によりぶっ飛ばされていた。

 しかしぶっ飛ばした後ちゃんと治療を受けさせるために運んでいたとは、ただのダメ人間じゃないんだな。治療費払ってないみたいだからそこはだめだけど。


 「それで、クラリスちゃんの傷は大丈夫なの?」

 「化膿してたからこの後ちゃんとした治療をすればだな、ただ右足の一か所の傷が深いからな。歩くだけで結構痛むはずだからしばらくは松葉杖での生活にはなるだろうよ」

 「そっか…」

 

 ベッドの上で仰向けになりながら、沈んだ声でどこか申し訳なさそうにも聞こえる。

 もっと早く気づいて助けてあげられていれば…

 そんな結果論を頭の中で巡らせてしまう。


 「つかよ、お前金持ってんの?」


 ふと思い出したかのように、ニーナの性質を理解しきっての発言だった。

 当然治療費はかかる。


 「そんなものはない!」

 

 胸を張って自信満々に、声高に宣言する。が…


 「イテッ!何するのイール!」 

 「何食わぬ顔で嘘つかんでください!今日しっかり稼いだでしょうが!」

 「何?!聞き捨てならんぞ!ニーナが仕事したのか坊主!」


 どうやらニーナ周辺の人間全てに、ニーナ=ダメ人間。

 というレッテルが貼られているらしい。

 いやまあ事実だし当然な事ではあるのだけれども…

 だからと言ってお金を稼いだってだけでこの驚きかたは相当なイメージを持たれてるんだろうな…

 

 「聞き捨てならんとはなんだこの糞爺!ぶっ飛ばすぞ!」

 「ああん?!てめえ二度と治療してやんねえぞ!っとそうだ、いくら稼いだんだ」

 「150万ゼニ―」

 「150まんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!」


 驚愕のあまりアルメン医師は椅子から飛び上がり驚愕を露わにする。

 プルプルと体を震わせながら、この世じゃありえない、そんな状況を目にしたかのような驚きかた。

 冷や汗まで流しながら、天変地異を目の前で見ているかのように驚く。

 いや、気持ちわかるんですけどその縫いかけの状態は生々しいので早く終わらせてあげて。

 そんなやり取りを見ていた、足を包帯でぐるぐると巻かれているクラリスが楽しそうに笑う。


 「すみません、怪我の治療中なのに」

 

 そうクスクスと笑みをこぼす。

 きっと長年こんなバカなやり取りを見聞きすることもなかったのだろう。

 束の間の日常ですらきっと、幸せに感じてくれている。


 「ニーナ様の回りには愉快でいい人ばかりなのでしょうね。これもニーナ様の人柄のなせる業なのでしょうか」


 過大評価だよそれ。と同時に思考をよぎらせる。


 「いやいや嬢ちゃん勘違いしちゃいけねえ。こいつの周りの奴らはこいつに振り回されてるだけよ。とんでもねえふてえ野郎だからな」

 「金払わないよ」

 「そういうところを言ってんだバカ野郎が!」

 

 そうしてバカなやり取りを見ながら治療が終わるまで楽しそうにその様子を見ていたクラリス。


 「おしこんなもんだろう。おめえさんの事だ、左手動かすななんて言っても聞きゃしねえだろうからな。まあ念押しだけしとくぜ」

 「まあ気には留めておくよ」

 「いや師匠、ちゃんとアルメンさんの言いつけ守ってくださいね」

 

 そうしてニーナは左腕に、クラリスは両足に包帯を巻きつけられ帰宅することになった。

 帰るときにニーナがクラリスをおぶって帰ろうとしてアルメンに引っぱたかれたのは当然の話だった。


 「ここが今日からクラリスちゃんが過ごす家だよ」


 それを見たクラリスは尻尾をゆっさゆさと左右に振りながら感嘆の声を上げる。

 立派と言って差支えの無い一軒家。

 2階建てのその家、貴族が住まう屋敷ほどのものではないにしろ、6,7人で暮らすことになっても不自由のない大きさ。

 それを二人で使っているため部屋の余りもたくさんあるようだ。


 「まあこれから住人になるわけだから、遠慮なく好きな部屋を使ってね」

 「その、こんな立派なお宅に住まわれていて、しかもそこに一緒に住めるなんてどう感謝をすればいいのやら…」


 おー…

 と感嘆の声を上げ続けるしかないクラリス。

 住宅地から少し離れた所に位置するその家。

 周囲に建物はなく静寂が包み込み、満点の星空が新たな住人を祝福しているようだった。

 というより一体おいくら万円したのだろうか…という疑問がわき出てくる

 お金を稼いだだけであれほど驚かれていたニーナ様が?


 「すごく立派なおうちですけど、いくらぐらいしたのですか…?」


 恐る恐る聞いてみる。

 

 「あはは…実はこの家買ってないんですよね…」


 苦笑いを浮かべるイール。

 え?買ってない…?それなら一体どうやって…?

 こんな立派なおうちプレゼントしてもらったとか?

 ってことはニーナ様、お貴族様とそういった…?!


 「ニ、ニーナ様はやはりモテるのですね?!」

 「ねえイール何か勘違いされたんだけど…」

 「あれ?てっきり貴族様かお金持ちの方とあんなことやこんな…こ…」

 

 そこまで言って想像してしまったのかボッと顔を真っ赤にする

 過去にいろいろあったが、やはり年頃の娘。

 多少の知識はあるようだ。


 「もう!私の事なんだと思ってるの!この家はこの国の王様に貸しがあってね。それでもらったの」

 「そんないい感じじゃなかったですけどね」


 以前、父と旅をしていた時に死霊術師に襲われている国があると聞いた。

 それを聞いた父は救済に行くべくして救った。

 強力な力を持った生物達、その死骸などを操り防戦一方を強いられていたその国こそ、この国だ。

 そしてイールを救い父を失いどうするか途方に暮れていた際に、あの時の貸しがあるなと思い出しニーナ宅を頂いた。


 「美化しちゃいけませんよ。国王の前でふんぞり返って『家くれるまで帰られない!』と駄々こねたあげく無理やり帰らせようとしたお付きの人ぶっ飛ばすし。そっからはもう…」

 「国救ったのに家の一軒もくれないなんてケチ臭いこと言うあいつが悪いんだ!」

 「あんたの言葉使いと態度のせいでしょうが!結局騎士団が乗り込んで王の間で大ゲンカしたあげく『これ以上兵士傷つけられたくなかったらわかってるよね?』って脅しまでして!」


 厚顔不遜、恥知らずの我儘ニーナ、最初国王と謁見するまでは立派な淑女のような振る舞いをしていたが、国王のいる部屋に案内され『家あげない』と言われてから一変。

 

 「どうして家一軒程度もくれないのさ!いーじゃん!国王なんだから金持ちなんだろうからいーじゃん!」

 「あの件の報酬はたんまり渡したじゃろうが!どーして今になってたかられるんだ!御父上の事は残念じゃけれども!」


 と両者喧嘩腰。まあ10:0でニーナが悪い。

 だがそこで引くほど行儀の出来た人間ではなかった。


 「ニーナ様、先の件では大変に感謝しておりますが、国王は多忙の身故、ここらで一度お引き取りを…」

 「そうじゃそうじゃ!帰れ帰れ!」


 ブチッ


 「ふざけるなああああああああああ!!」

 

 叫ぶと同時、お付きの人の脇腹に深々と突き刺さったリバーブローによりお付きの人は文字通り、ぶっ飛ばされた。


 「なあああああああああああああああああんてことしてんですか師匠!罪人だ!これから僕たち罪人ですよ!」

 「知るかああああああ!金なし家なしやる気なしの私たちがこれから生きていくにはこいつから家ふんだくらなきゃいけないの!イールは黙ってて!」

 

 それからはもう悲惨だった。

 武装した騎士団に囲まれるが、ニーナは断固として譲らなかった。

 斬りかかってきた兵士の腹部にささった蹴りにより文字通りぶっ飛ばされた兵士、および巻き込まれた兵、計17人がノックダウン。

 それを繰り返すうちに総騎士団長の男がニーナに挑むも、無残な結果になった。

 最終的に王の目の前で騎士団長をマウントし、ひたすらにぼっこぼこに殴ったのち


 「王様もー、こうはなりたくないよねー?」


 顔を腫らした騎士団長、の襟首を持ち上げ王に見せつける。

 

 「ひぃ?!」

 「それに~、これは王様が我儘言ったせいでこうなったから~私無罪だよね~?」

 「その通りでございます!私が我儘を言ったことがいけないのですからええ!家のほうも立派な物件を献上させていただきます!だからあの、こっち寄らないでえええええええええ!イダイイイイイ!」

 「家だけあっても生活できないでしょうが!とりあえずの生活金として20万!わかった?!」

 「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 その一件以来、何度か王に会ったことはあるがお付きの人の後ろに隠れてしまうようになった。

 イールも正直脅しをかけるときのニーナは怖い。

 恫喝恐喝暴力の権化のような深い深い闇の笑顔は常人なら誰でも怯えてしまう。

 国王もその例に漏れることなく恐れていた…


 「ま、立ち話もなんだし、中に入って食事にしよう」

 「そうですね、食材も買い込みましたし」

 「「ジュルリ」」


 クラリスちゃんはお腹ペコペコなのわかる。

 師匠あんた、毎食きっちり食ってるでしょうが…

 

 お風呂などを済ませた二人。

 クラリスは怪我の都合上ニーナが身長に体を洗ってあげていた。

 そしてお風呂を終えてからというもの、二人の視線はただ一点に釘付けになっていた。

 その肉塊に。

 待ちきれないとばかりに催促をするニーナ。

 まだかまだかと瞳を爛々と輝かせ、扇風機のごとく尻尾をぶんぶんと振るクラリス。

 

 「お待たせしまし―」

 「「いただきまあああああああああああああす!」」

 

 表面はパリッと中はジューシー。

 そして特性のソースをこれでもかとかけた特上肉。

 なんとこの塊一つで3万ゼニ―だ。

 仕事で大金を稼いで少し真っ当な大人になったニーナと、新住人を迎える祝いにケチなイールが奮発したものだ。

 

 「このソースはこの特上肉から出た油に香辛料と果物を使って作ってるんですよ!どうですか自信作です!」

 「そうなんだ」

 「そうなんですね」


 聞いちゃいねー

 もう少し、作り手に何か一言あってもいいじゃないですかね…

 ホロリと涙を流すイール

 もう無我夢中。いや嬉しいけども会話ぐらいしてよ…

 お互いむさぼり食らってるだけでクラリスとニーナはまったく会話をしない。


 「っていうか!全部食べないでくださいよ!」

 

 そうして夢中で肉を頬張り続ける女子二人との肉争奪戦が行われた。

 結果はもちろんイールの惨敗であった。

 美味しい脂身の部分にイールが手を伸ばした時なんてひどいものだった。

 まさか肉一口食べようとしただけで二人からの殺意に満ちた瞳でにらまれるなんて…

 正直ちびるかと思ったほど。


 「あー食った食ったー!美味かったご馳走様」

 「とても美味しかったです!イール様ありがとうございます!」

 「僕は二口しか食べれてませんけどね…」

 「も、申し訳ございませんイール様…あまりに美味しくて夢中に…」

 「いや気にしないでください、付け合わせのサラダまできっちり完食してもらって作った甲斐があるってものですよ」


 談笑しながら酒をガバガバと煽っていたニーナがふとそれに気づく。


 「むむむ」

 「ニーナ様?どうかなさいましたか?」

 

 ニーナの視線はただ一点。

 胸だ。

 その豊満なものを凝視する。

 そして目線は下に向き、項垂れる。


 「着やせする…タイプなんだね…」

 「ん?」

 「この破廉恥娘め!」

 

 ボヨン

 いきなりニーナがクラリスの胸を後ろから鷲掴みにする。

 15歳にしてこのサイズ、弾力。

 将来どれだけのナイスボディに成長し男共を魅了するのだろうか。

 

 「ひゃん!ななななな、なにをなさるのですニーナ様?!」


 尻尾と耳をビクン!と跳ね上げ唐突な行動に驚きを隠せないクラリス。


 「うーむこれはエロイ」


 着替えがないためニーナの私服を着ているのだが。

 ニーナの服のサイズでは合わないのだ。胸が。

 そう、ニーナは貧乳だった。

 そして、クラリスは巨乳だった。

 そして露わになって双丘が、ニーナのターゲットにされてしまった。

 縦に横に蹂躙されてしまう。

 

 「はひぃ~…」

 「ふむ、堪能した」

 

 蹂躙され弄ばれたクラリスはへたり込んでしまう。

 しかし惨劇はここからだと言わんばかりに。


 「さてと、お次はこっちだ!」

 「ふあああああああああああああ」

 

 もっふもふの桜色の尻尾を第2のターゲットにされた。

 モフモフは至高だ!

 などとよくわからない事を言いながら顔を埋め堪能されてしまった。


 「はー最高だったー!」

 「程々にしないと愛想付かされますよ…」

 

 ジト目を向けながら注意を促される。


 「ま、それはそうとそろそろ寝ようか。」

 「そうですね、あ、でも部屋はあってもクラリスさんのベッドがないですね…」

 「ニヤリ」

 

 その瞬間ビクン!と悪寒が走る。

 嫌な予感がする!本能が訴えかけてくる!


 「それじゃ~仕方ないね。男と同じ部屋に寝かせるわけにもいかないしね?」


 そこまで言うとニヤニヤと邪悪な笑みを浮かべながらこっちににじり寄ってくる。

 

 「はわわわわわ」

 「これは致し方ないことだからね、私と一緒のベッドで寝ようかそれしかないしね!」

 

 そんな地獄と言える発現を喜々として語るニーナ。

 死刑宣告を受けたように瞳からその光を失うクラリス。

 可哀そうに哀れみのまなざしを向けるイール。

 果たして無事朝を迎えられるのだろうか…


 脱力しきっているクラリスを脇に抱え部屋に向かうニーナの後ろ姿を見て思う。


 「(頑張れクラリスさん!今日だけの辛抱だ!)」


 心の中でエールを送りながら自分も就寝するためベッドに潜る。

 そして明日から一人増える楽しみと喜びを胸に、隣から聞こえる絶叫を無視し眠りについた。

 

 

 

 

 

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