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第三話 入国審査のお時間

「はぁ……はぁ……やっとついた……」


思ってたよりも……遠かった……

顔をあげてあたりを見回す。

人が列になっている。

想像していた通り、入国審査のようなものがあるようだ。

スキルを使えば気づかれずに通行できるかもしれないが、顔を覚えられるとまずいことも特にないので普通に列に並ぶことにした。下着を盗むだけなら恐らくは大丈夫だろう。

列はそこまでたくさんの人がいるわけではなくすぐに俺の順番が来そうだ。

人が少ないということはこの街は今これといったイベントはやっていないのか?

そんなことを考えているうちに順番がきた。

けっこうガッチリとした男性が受付のようだ。

鑑定を使ってみるか。



ガイク・シンドラー LV32


種族 人間


HP 19000 MP 50


STR 17000 INT 7000


AGI 5300 LUK 78


ジョブ「騎士」


スキル



おお……俺より全然すげーや。

勝ってるのはAGIとMPだけか。

俺のAGIが高いのはジョブのおかげだし、MPは……このオッサンどう見てもパワータイプだもんなぁ……


「次、身分証明書を出せ」


やっぱ出す必要があるのか、身分証明書。

こういうときはお決まりの()()やるか。


「すみません、旅の途中でなくしてしまって……」

「む、そうなのか。そういうことならしばし待たれよ」


そう言うと彼は奥のほうへ行き、なにやら占い師が使うような水晶玉を持ってきた。


「知っているとは思うが、この水晶に手をかざすとステータスが映し出される。ほら、手をかざせ」


言われるがままに手を出す。

説明してくれてよかった……


「なるほど、「盗賊」ジョブか。決まりだから一応犯罪歴も調べさせてもらうぞ」


へえ。そんなこともできるのかこの水晶。

確かに、「盗賊」ってあまりイメージは良くないもんなぁ。


「よし、犯罪歴はないな。まあこうやって素直に入国しようとしているのだから悪いことはしていないだろうと思ってはいたが」

「素直に入国しない人なんているんですか?」

「ああ、逃亡中のやつなんかはあの手この手で不法入国しようとしてくるんだ。特に「盗賊」ジョブ持ちはこっそりここを通過しようとすることが多いぞ。まあ、不法入国しようとしても俺のスキル「看破」にバレてお縄になるんだがな」


よかった……ちゃんと入国審査受けて……

一歩間違えたら異世界に来て早々に捕まるところだった……


「この街の冒険者ギルドは中央通りにあるからそこで身分証明カードを発行してもらえ」

「はい!分かりました!」

「次からは失くさないようにするんだぞ」

「分かってますよ、ありがとうございました」


俺はオッサンに背を向けて歩きだした。

入国審査に通ってよかった。まあ特に何もステータスについて言われなかったってことは平均的ステータスだったてことか。

元の世界でも外国には行ったことがなかったから結構緊張した……

そう考えると初めての入国審査が異世界でなんて変な感じだ。

そういえば、俺以外にも転生者はいるのだろうか。

優しさで俺を転生させたアリア様だ。ほかにも同じような奴がいてもおかしくない。


まずは冒険者ギルドでカードを発行しよう。

そしたら宿屋でも探そうかな。

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