第3-2章 ヴァンパイアの食事
更新遅くなってすいませんでした。
次話は1週間以内に投稿します。
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「やっぱりこうなるか、、」と思った。
話している感じからして俺のことをおもしろがっているようにしか見えなかった。
実際、俺を殺すのなんて簡単だろう。だから本当に使えなくなったら切り捨てればいいと考えているのだろう。
アゼムの問いに対し、「仲間に加わるのはわかりました。しかし、自分はここで何をすれば良いのかわかりません。」と答えた。
それに対しアゼムは「我々と行動する中で自ら見つけろ。見つからなかった時は俺が殺してやろう。」と表情を変えず答えた。
そう言い残すと部屋から出ていった。
それを合図かのように集まっていた他のヴァンパイア達もみんな部屋から去り、一人取り残された。
静まり返る部屋の中で一人考えていた。
この後どうするか、、殺されれば元の世界に戻れるか不明な時点で簡単に 死ぬ という選択はできない。けどヴァンパイアとしてっこの世界で100年とか生きていく事になるのだろうか、、。
そう考えている時、背後で足音がしたので振り向くと誰もいなかった。
あれ?勘違いかな。と思った瞬間、扉が開いてアッシュが入ってきた。 そして自分の感覚が人間とかけ離れているのを実感した。
自分が座っている椅子から扉まで30メートルはあると思う。その扉の向こうにいるヴァンパイアの足音が聞こえたのだ。
「お!気が張ってるねー。俺の足音に気づいたでしょ?」とヘラヘラしながら言ってきた。
「その感覚を生活していくうちに慣れるからあまり気にする必要ないよ。よし!我が後輩よ、飯いくぞ」と言った。
ヴァンパイアって何を食べるんだ?と疑問はあったがついていけば分かるだろうと思い素直について行く事にした。
部屋を出てアリの巣みたいな構造の洞窟を少し歩くと様々な食べ物の香りがしてきた。
「食堂に行きたくても道がわからなくなったらこの香りをたどっていけばたどり着けるよ」と急にアッシュが得意げに言ってきた。
俺は警察犬かよ。と心の中で突っ込みつつも「わかりました」と答えた。
食堂に着くとそこには多くのヴァンパイアがいた。
そして、長方形の大きな石でできたテーブルが3卓あり、そのテーブルに沿って長椅子が置かれている。
厨房には3人のヴァンパイアいて、忙しそうに作業している。
テーブルに着くや否や近くに座っているヴァンパイア達から質問責めにされた。「どこ出身?」、「どうヴァンパイアになった?」など聞かれた。
記憶がなくて出身はわからない。最初からヴァンパイアで血を飲んだことで本格的にヴァンパイアになったことを伝えると、「面白いやつが入ってきたな」など予想外の反応だった。
そもそもヴァンパイアがこんなにもおしゃべりな事に驚いた。
無駄な会話などせず常に一人で行動するイメージがあったからだ。
一通り質問に答えてようやくご飯が食べれる状況になった。
「アッシュ、そもそもヴァンパイアに食事は必要なのですか?」俺はようやく質問する側になれた。
「いや、必要はない。ヴァンパイアが人間と同じ食事をしたところで空腹のままだし。実際バンパイアが空腹を感じることはないよ。
空腹の代わりに渇きを感じるようになる。一回血を飲んでるなら分かるだろ?。」アッシュはドヤ顔で答えた。
「なるほど。じゃあ何の為に食事を?」俺は続けて質問した。
「ヴァンパイアになっても味覚は人間の時と同じなんだよ。だから単に血を飲むだけじゃなく、血をさらに堪能する為の付け合わせとして美味しい料理も楽しむってわけさ。飲む血は動物の血だけどねー。」料理が待ちきれないのかソワソワしながら答えた。
しかし俺は料理よりアッシュの言った 動物の血 って言葉に引っかかった。
また謎が増えた。
なんで動物の血なのか聞こうとしたがアッシュは運ばれてきた料理をすでに食べていてとりあえず自分も食事にする事にした。