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第3章 ようやくヴァンパイア?

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目を覚ますと自分は洞窟の中にいた。

洞窟はの中はゴツゴツとしていて数メートルおきにロウソクが壁に掛けられている。とりあえず会話が聞こえる方へと向かった。

「お、起きたようすっよ」聞き覚えのある声が聞こえた。案の定、そこには俺を捉えた若いヴァンパイアがいた。


「俺の名前はアッシュ。よろしくな後輩くん!ところで君の名前は?」ニコニコしながら聞いてきた。

俺はテンションの高さについて行けず無視した。その時、周りにいた数人のヴァンパイア達が「アッシュにも後輩か!」、「ようやくか!」などと笑いながらアッシュをからかっていた。


「これからお前は審議にかけられる。そこでお前の今後が決まるからまぁ頑張れ。ついて来い」とアッシュは言い、洞窟を奥に進んで行った。


アッシュについて行きながら洞窟を奥に進むに連れ洞窟の構造がわかってきた。

アリの巣のような構造をしていて薄暗い。しかしどの部屋が何のための部屋なのかはさっぱりわからない。

二百メートルくらい歩いただろうか、木でできた大きな扉の前に着いた。


「ここからは一人で頑張れ!後輩ができるの楽しみにしてるからな」と言い残し、アッシュは扉の横にある階段を上がって行った。


つまり俺はこれから色々聞かれ、相応しくないと思われたらどっちみち殺されるってわけか。失敗したら殺されるというのになぜか落ち着いていた。


この現実に絶望しきってしまったのだろうか。自分はテジの血を飲んだことによって生かされた。それとも、また人間の血を飲めばあの時の怒りを思い出し、怒りを生きる生きる糧とすることができるのだろうか。


「入れ。」扉の向こうから呼ばれ、部屋へと入った。

そこはかなり広い部屋だった。部屋の両側には100人ずつは座れるだけの傍聴席があった。

部屋の真ん中には椅子が一脚だけあり、その椅子と向かい合うようにして、一段上がった高さの所に椅子が5脚あった。


この部屋自体、洞窟を削り作ったようであり、すべてのものが洞窟と一体化した作りとなっている。

すでに自分以外のヴァンパイアたちは席に着いていて自分を待ち構えていたようだ。

自分と向かい合わせに座る五人の中で左から二番目には、顔に傷のあるヴァンパイアがいた。

そして自分が椅子に座り、一瞬の沈黙の後、すぐに審議は始まった。


最初に真ん中に座っている白髪で隻眼のヴァンパイが口を開いた「気分はどうだい?これからの質問には、君の思っている事をそのまま教えてもらえるとありがたいのだがね」と言い俺の目を見てきた。


「気分は普通です。わかりました」と俺は小声で答えると、満足したように隻眼のヴァンパイアは頷いた。


「では、私から質問しよう」隻眼のヴァンパイアが続けて喋った。「君は私たちのことをどう思うかね」


「どう、と言われましても人の血を飲むために、人間の村を襲う集団という印象しか、、」自分はかなり小声で答えたはずだったがみんなしっかり聞き取っていたようだ。


隻眼のヴァンパイアは俺の答えを聞き、さらに質問を続けた。「では、その集団の一員となりかけている君は今、何を思う」


俺は難しい質問だと思った。ここ数時間で自分の環境、状態は目まぐるしく変化した。しかもどれもマイナスな変化だ。

思うことなど何もない。しかし、沈黙はダメだと思い、何とか頭を働かせた。


「自分は今、血が飲みたいと思いません。なのでまだヴァンパイアという自覚はありません。」こう答えたが血を飲んだ時の快感ははきっりと頭に残っていた。


「そうかそうか」笑いながら隻眼のヴァンパイアは言った。

そして「せっかく血を用意していたんだがな」というと自分が入ってきた扉から血の入ったワイングラスを一人のヴァンパイアが俺のもとに持ってきた。


血の匂いが自分の鼻腔をくすぐるのがわかる。その瞬間、自分はやっぱりヴァンパイアだ。と改めて自覚した。どんどん自分の意思とは別に体が血を欲しているのがわかる。


その時、顔に傷のあるヴァンパイアが「ほぉ、あの時とは違い礼儀を学んだようだな」と言った。


「もうよい」と隻眼のヴァンパイアがいうとグラスを持ってきたヴァンパイアはグラスを持ってこの部屋から出て行った。

しかし、すぐに興奮は収まらず自分の意識を持つのが大変だった。


隻眼のヴァンパイアは「よく自制できたな。大抵の新人は我慢できずに血を飲んで暴れてしまうのだが」と驚いた反応をし、満足げな顔をしていた。


「では、次は私が質問するとしよう。」一番左に座っていた白髪で髪を後ろで結んでいるヴァンパイアが唐突に「この中に殺したいヴァンパイアはいるか?」と聞いてきた。

その瞬間、一瞬ではあったが反射的に顔に傷のあるヴァンパイアを見てしまった。完全にやらかしてしまったと思った。自分達に危険をもたらす新人を加えたいと思うはずがない。しかし白髪の反応は予想していたものとは違った。


「はっはっは、アゼムを殺したいのか。何百年先になるかねー。」と笑いながら言った。

すると「あの場にいたのは私の部隊であり、わたしが恨まれても仕方はない」と顔に傷のあるヴァンパイアのアゼムは白髪のヴァンパイアに言った。


「飽きてきたし、最後の質問にするかね」と一番右に座っていたスキンヘッドのヴァンパイアが言い、

質問を続けた。「君は我々に何をもたらす」と言い厳しい目つきでこっちを見ている

また難しい質問だと思った。無理やりヴァンパイアにさせられた挙句、貢献までしろというのか、、。最初の「思っていることをそのまま伝えてほしい」と言われた通りにしようと思った。そして、「何も貢献できません」とはっきり答えた。


「よし、では結果発表と行くか」と隻眼のヴァンパイアが言い、

「我らに仲間として迎えるのに賛成な者」と続けると隻眼のヴァンパイアを含め四人が手を上げた。右から二番目に座っていたヴァンパイアは手を上げなかった。

アゼムは「君を我々の仲間として迎えよう。何かこの場で聞いておきたいことはあるかね?」と聞いてきた。

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