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4-3 生きる理由

初の戦闘シーンもあるので読んで頂けると嬉しいです

「お待たせしました。こちらがパーシ村の情報になります」

そう言って偵察から帰ってきた2人のヴァンパイアはアッシュに紙を渡してから去っていった・


「なるほど、、このくらいなら余裕だな!」そしてアッシュは村の説明を始めた。


これから向かう村。つまり俺がいた村の名前はパーシ村であり、昼間は王都から派遣された調査団とヴァンパイアハンターが滞在している。

夜間になると隣村に移動し、そこで食事や睡眠をとっているとのこと。

人間の内訳は調査員が6人、ヴァンパイアハンター4人の合計10人で構成されている。

寝泊まりをしている、隣村には一般人が40人程いるとのこと。


「ヴァンパイアハンター4人て戦力的にはどうなんだ?」

戦闘経験のない有心にとって1番の懸念材料である。


「人間は1体のヴァンパイアを倒すのにヴァンパイアハンターが4〜6人必要と考えている。とはいえ人間もヴァンパイアも強さはピンキリだから難しいところだな〜。

けど、今の有心でも3人くらいなら勝てると思うよ」


「3人か、、。アッシュは何人位までなら勝てるの?」


「んーー、、実際にやった事はないけど、後先考えずに能力使っていいなら100〜150人くらいかな」


「え、、、」

驚きを隠せない有心。


「生きてれば強くなるから、今回で死ぬようなヘマはするなよ」


そうして2人はアジトを発ち、パーシ村に向かう事にした。



初めてアジトである洞窟から外に出た有心は、目の前に広がる雄大な自然に感動していた。

樹々が生い茂り綺麗な川もあるこの山は、冷酷なヴァンパイアのテリトリーとは思えないほど素敵で地平線には太陽が半分ほど沈んでいた。

その時、有心は家族旅行で訪れたことのある長野県上高地に似ている場所だなと思いつつ、自分の家族の事を急に思い出した。

みんな元気にしているだろうか、、。この世界で生きていればいずれ元の世界に戻って再会する事はできるのだろうか。

そんな不安を感じたまま、目的地に向かって走り出した。



初めて走る有心は、人間の時との感覚の違いに少し戸惑っていた。

身体能力が何倍にも上がっているので走るというよりは、飛んでいると言ってもいいくらいに一歩で遠くへと移動することができた。

しかも、すでに日が沈んで真っ暗の森の中にいるというのにハッキリと目が見える。

遠くで野生の生き物が動く音すらハッキリと聞き取ることができ、鋭すぎる感覚は慣れるなで時間がかかりそうであった。


アジトを出て2時間くらい経っただろうか

「あと少しで村だ、一旦止まれ」

そう言うとアッシュは足を止め、近くにあった背丈が15メートルはある木のテッペンまで登った。


「有心も登って来い」

言われるがままに従う有心。


「パーシ村が見えるか?まず最初にパーシ村に行き人間がいないか確認した後、隣村に行き調査団を襲うからなー」

2キロ先にある真っ暗で灯りすらない村がアッシュには余裕で見えてる様だが、有心は目を凝らしてようやく見ることができた。


「分かった」


「よーし!いくぞ」


そしてアッシュは木から飛び降り、パーシ村へ向かった。有心も置いて行かれない様に全力で後をおった。


「到着!気配で分かってはいたけどやっぱり夜にはこっちの村誰もいないようだね」

そう言いつつ、アッシュは辺りを見渡し安全確認をしていた。


「あの時は分からなかったけど、本当に村は壊滅してたんだ、、」

あの時、有心は辺りを見る余裕などなく、記憶に残っているのは片腕の無いテジの遺体であり、テジの血を飲み自分はヴァンパイに覚醒したという事である。


今のパーシ村は人が居なくなり枯れた作物と焼き払われた家の残骸が残っているだけであった。

「数日前まで自分がいた村とは思えないよ」


「俺らが壊滅させたからな」悪気もなく即答するアッシュ。


「遺体はちゃんと埋葬されたのかな」

この世界は土葬なのか火葬なのかすら知らない有心。


「どうかなー。お前と深く関わった人間はまだ埋葬はされて無いと思うぞ」


「どうして??」答えを聞くのが怖いと感じている有心。


「人間はヴァンパイに対抗する為の手段を常に考えているんだよ。ヴァンパイアと関わった人間の脳を取り出し、その脳から魔法で生前の記憶を取り出して俺らの情報を集めてるらしいからなー。

記憶と言っても、死ぬ数分前までの記憶しか取り出せないみたいだけど。」


「それはヴァンパイアハンターだけじゃなく、一般の人もなのか?」


「俺らと戦うヴァンパイハンターの記憶は貴重だし対象となるけど、今回は違うと思う。新たなヴァンパイアが村人と生活してたとなると、村人全員が記憶を取り出す対象になっても不思議はないし」


「そっか、、」

有心にとってテジ達を殺したヴァンパイアはもちろん憎いが、死者に敬意を払わない人間にも憎しみを感じていた。

そしてこの憎しみと怒りをどこにぶつければいいのかも分からないでいた。


「有心は俺らと人間のどっちが酷い生き物だと思う?」


「、、、、、」答えられない有心。


「とりあえず、俺が先に隣村に行くから有心は俺が合図するまで村の外で隠れて待機してろ」


言葉は発せずに頷く有心。

それを見て、アッシュは先に隣村へと向かって行った。


村のすぐ外でアッシュの合図があるまで木陰に身を隠している有心は葛藤していた。

人間のやっていることも、ヴァンパイアのやっていることもみんな自分たちを守るためであり、正しく思えてしまうからだ。


しかし突如聞こえた爆発音で我に帰った有心。

音がした方を見ると火が上がっている。

「有心!!!血を飲んでから来い!!!」爆発音の後に、アッシュの声が確かに聞こえたの確認し、小瓶に入った血を一気に飲み干してかたアッシュの声の方に向かった。


そして屋根の上を全速力で移動する有心はすぐに現場についた。

「おお〜。来たな」アッシュは村の真ん中に位置する家の屋根の上に立ち、有心の到着を待っていたのだ。


「アッシュ!無事なのか??」


「もちろん!爆発も俺が起こしたものだしね。ほら、下見てみ」


そう言われ下の広場らしきところを見ると、4人のヴァンパイアハンターが集まっていてこちらを見上げていた。

さらに、爆発に気づいた調査員や村人達まで集まり始めていた。


「暗殺任務のはずだろ!!」アッシュを睨みつける有心。


「どうせ殺すなら少しでも戦闘経験を積んだ方がいいかなと思ってさ。だろ??」少し楽しそうにしているアッシュに余計に怒りが込み上げてくる。


「ふざけんな、、」


「嫌なら俺が殺るだけだからいいけどね。それにあれ見てみ」そう言ってアッシュが指を差した先には先程の爆発で壊された家があり、壁が崩れていて部屋の中が見えていた。


刹那、有心は一瞬で部屋の中へと移動した。


「おー速いね〜」移動速度に関心しているアッシュ。

人間達で有心の速さについていけた者はおらず、有心が崩れかけた部屋に入る足音でようやく気づいた。



「ごめんな、、、」有心は部屋の中に置いてるテーブルの前で、床に泣き崩れた。

テーブルの上には氷魔法で冷凍保存されているテジや村のみんなの頭部が置いてあった。

「ごめんなさい、、ごめんなさい、、俺のせいで、、、」


その時、自分の方に何か飛んでくるのに気づいた有心であったが、もはや避ける気にもならなかった。


鈍い音と共に石が自分の背中に当たるの感じ、そこでようやく立ち上がった有心は石を投げた人物の方を見た。

そしてその人物は有心がこの世界にきて初めて訪れた村の村長だったのだ


「やはりお主はヴァンパイアであったか!!さっさと追い出して正解だったわ。ヴァンパイアが人間の為に泣くとは何の芝居だ??人間を油断させる為の演技か?? くそ、、、」

村長が言葉を言い終わる前に、有心は到底人間には反応出来ないであろう速さで剣を抜き、村長の首をはねていた。


村長の胴体が地面に崩れおち、それに気づいた村民たいは悲鳴を上げた。

4人のヴァンパイアハンター達は有心を囲む様に立ち、攻撃のチャンスを伺っていた。


「さあさあ!お手並みはいけーーん」相変わらず楽しそうにしているアッシュ。


怒りに任せ、1人の人間を殺した有心は自暴自棄になっていた有心は、村長を切った時の返り血を浴び、乾きを抑えられないでいた。

「もうどうにでもなれ、、」そう言い、剣に付いた血を舐めた。


「ば、化け物がぁぁ!」それを見ていた1人のヴァンパイアハンターが剣を抜き、叫びながら襲いかかってきた。

それに合わせる様に残り3人のハンターたちを攻撃を仕掛けてきた。


有心の赤く光る目が、動きに合わせて赤い残像を暗闇に残す。

そして1人目の剣士のハンターが斬りかかってくるが避けるまでもなく、有心は剣士の手首を掴み、握り潰すと剣士は悲鳴を上げながらその場に倒れ込んだ。

トドメを刺そうとしたが、真上から弓矢が飛んでくるのに気づき、矢を剣で弾いた後に有心は自分の剣を弓使いの方に投げた。


「ひっっ、、」物凄い速さで飛んできた剣は悲鳴を上げさせる間も与えずに弓使いを貫いた。

剣士の剣を拾い上げ、手首を抑えて倒れ混んでいる剣士にトドメをさした。


残り2人のハンターは魔法使いと槍使いだった。

「俺が時間を稼ぐから頼んだぞ!」魔法使いにそう告げた槍使いは有心に攻撃を仕掛けてしたが、有心はそれを無視して魔法使いの方へと向かい、身長程ある長さの杖ごと魔法使いを斬り伏せた。


「あと一人」そう言いって有心は赤く光る目で槍使いを見た。


「ここまでか」槍使いは抵抗する事なく、有心に斬られる事選んだ。


そして有心は、槍使いの首に噛みつき血を飲んだ。


人を殺して気が済んだからなのか、それとも血を飲み満足したからなのかは分からないが気持ちが落ち着いてきた有心は我に帰り、あたりを見渡して自分のした行動を再確認した。


「おめでとー!!逃げ出そうとしていた調査員と村民は俺がやっといたよー」拍手しながらアッシュがやってきた。


「ふざけんな!!!」アッシュに斬りかかる有心であったが、一太刀目で剣を手から弾き落とされ、首を掴まれた。


「最初はみんな通る道だよ。この現実を受け止めて自分がどうするか決めろ。ヴァンパイアとして生きるってことは人を殺して生きるってことだからな。それが無理なら俺がこの場で殺してやるよ」

有心の目を見つめるアッシュ。


「生きる!!そしてこの世界をぶっ壊してやる」目から涙が溢れてつつ、アッシュを睨み返す有心。


「目標があるのはいいことさ!帰還するぞ!」笑顔に戻ったアッシュは掴んでいた有心の首を離した。


「待ってくれ。テジたちを埋葬させてくれ」


「りょーかい」


そして埋葬が終わり、朝日が2人をてらし始める時間になった頃、2人は村を後にした。


読んでいただきありがとうございます!


戦闘シーンを描写をどう表現するか難しかったです。

これからもどんどん更新していこうと思ってますのでよろしくお願いします!

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