第五話 終幕
ミカが国を訪れてから一週間経った。特に何も起こらず次の国へと渡る為の準備も終えてまた歩き出した。
ちなみに、馬車は使わない。そちらの方が遅いからだ。自信の能力を使ってかなりの速度で走っていく。
そして今朝町をでて全力でここまで走ってきた。もう、城壁すら見えず辺りは森しかない。
ここら辺には獣人の里があるという噂を聞いたのだが、行かないミカにとってはどうでも良いことである。
「ミカ、前方100。人がいる。あと、魔物も同じぐらいの場所に」
「人がいるのは当たり前だろう?商人かも知れないし。魔物はもう城壁の側じゃないんだし」
「ちがーう。ミカ。一人しかいないの。人」
「他に反応ないのか?」
「うん、ない」
本当に一人しかいないらしい。ヤヅキの索敵能力はとても凄い。そんじょそこらの人にはできない距離まで言ってのける。
「まぁ、見てみるよ」
「そうだね」
そして、数秒経って人の影が見えた。倒れているようだ。同時にそれを食べようとゆっくりと歩み寄っている魔物の姿もあった。
「まぁ、倒す?」
「もちろん」
淡い光と共にミカの両手に剣が握られる。クラウ・マギナとクラウ・ソルスである。
魔力を喰らい、それを使って自身の肉体を癒す。長い時間、戦うことができる。
舞うように戦う双剣士、だからこそ二つ名が《蒼舞の双剣士》と呼ばれている。
魔物もこちらに気がついたのか、こちらに走った来た。
「しっ、」
すれ違いざまに、薄く切っておく。スライスされた腹の肉。
それに、怒ったように咆哮をあげる。
「遅い、遅すぎる。残念だったな」
一瞬にして、首が切られて命を落とした。
「大丈夫かなぁ?この子」
ヤヅキが尻尾でツンツンしていた。
※※※
そのままこの近くで寝ることにした。テントやらなんやらを張り、少女を介抱した。
星が瞬き始める頃に少女は目を覚ました。
「大丈夫?全ての者に聖母は微笑み、命の脈動は強くなる。今ここに奇跡を顕現せよ」
紡がれる詠唱により、少女が癒えていく。これで、一応喋れるようになっただろう。
「ここは?」
「私のテントの中だ。隣にいるのが相棒のヤヅキ。取って食ったりしないから、安心しな」
キョロキョロと辺りを見回していた。テントと言っても持ち運びを考えない大きなテントである。組み立ても大変そうなやつである。
しかし、組み立ててそのまま空間魔法で収納するので欠点は無いに等しい。
「助けてくれませんか?弟がっ、連れ去られてしまったんです」
「他の大人達は?」
「みんな、死にました。私たちを庇って」
「そうか、乗り掛かった船だ。いいよ」
気紛れで、了承して少女に笑いかけた。
蒼い星が瞬く夜に、そんな会話がなされていた。
これは、序章にしてここで終わりの物語。
これで、終幕です。
すいません。気持ちいい終わり方ではないです。
が、精一杯頑張ってみたつもりです。
もしかしたら。書き換えるかも、しれません。
ありがとうございました。




