語り継がれる物語
登場人物・時代背景・建築物に関して、実際に存在するものと関係ありません。
うちの町は、ちょっと曰く付きの土地にに立っている。
その昔この地に、妖怪達が好んで集まったという、その名も『妖霊石』と言う石がありました。 その石はあまり、大きいものではなく、ちょうど何かが手足をおり、ちじこまっているような形をして、まがまがしい妖気を放ちまわりの草木は、枯れ果て、唯一妖怪達が近づき『妖霊石』の力で、己の傷を治したり己の力を増幅していた。
しかしそれには副作用があり、欲を出しすぎて『妖霊石』に近ずき過ぎたき者は、強力な力に飲み込まれまれ、今まで優しかったような者まで、自我を失い人々を襲い始めてしまうのである。
それを重くみた土地の領主は、陰陽師・僧侶・修験者などを国中から呼び集め、『これを沈めよ』とお触れを出したのである。
しかしなかなか功績をあげるものがおらず、なかば諦めかけた頃、安倍晴明〔あべのせいめい〕・賀茂光栄〔かもこうえい〕・蘆屋道満〔あしやどうまん〕・弓削是雄〔ゆげこれお〕・滋岳川人〔しげたけのかわひと〕の五人が現れ、我らにお任せあれと言いおいて、『妖霊石』の元まで辿り着くと、陰陽五行の五ぼう星の形を取り、それぞれの得意とする技〔ぎ〕を尽くし沈めにかかりました。
しかし相手もさること、最初のうちは静まる気配すらなく皆一様に疲れの色が目立ち始めた頃、やっと徐々に力が弱まり最後の抵抗とばかり、一段と妖気を流した後、妖霊石は五つに砕けそれぞれに飛び散ちり、その後に核とも呼べる黒い丸い石が微量の邪気を放ち残っていた。
このままにしておけぬと言うことで、五人は丸い石を祠〔ほこら〕に祭り更に、自分が担当した方角に社〔やしろ〕立てこれからの成り行きを見守ることにしました。