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独8

私はついにあの計画を実行に移すときが来た。


その計画はあの星型メガネの男が去ってから一晩中考えて立てた作戦だ。

名付けて、「星型メガネの男作戦」だ!

この作戦が成功すれば隣の女の子の知り合いや私の夫に助けを呼ぶことができ、助けてもらえる。


結局、自分で何とかすると言っておいてほぼ人 (じゃないのもいるけど)頼みなんだけどね。

まあ、そのことは置いておいてもらえるかな。




まず、隣の女の子が持っていたカバンが女の子の椅子の下にあるので、そこから女の子の似顔絵が描かれた紙を魔法で取り出す。

この際、隣の女の子に魔法を使えることがバレようが仕方ない。

それに魔法のことを口外しないと約束してくれたしね。

もちろん女の子の似顔絵を使うこともちゃんと許可をとったので大丈夫だからね。


それで、次に私の手に握っていた眼鏡の破片を使い、私が血文字で監禁場所の見取り図など、犯行グループの人数などを書く。

わざわざ血文字にしたのは血文字の方が緊急性がありそうだからだけど、今思うとそこまでする必要はなかったかもしれないわね。


そして、それを誰かに届けてもらうわけだが、なんと奇跡的に私の友人の伝書鳩、「ぽっぽちゃん」が私の友人の居場所を伝えるために私のもとに来ていた。

この「ぽっぽちゃん」、ちゃんと間抜けな見張りののっぽとぽっちゃりが寝ている間に入ってくるなど名前と見た目からは想像できないほどかなり賢い伝書鳩以上のハイスペック鳩である。

まあ、ケガしているのか足には包帯が巻かれていて少し心配だが、この「ぽっぽちゃん」もまた、「案ずるな。私は大丈夫だ」という力強い眼差しをしていたので私は「ぽっぽちゃん」にいろいろと任せた。

「ぽっぽちゃん」はイケテるハト、イケハトだよ。


まず、私はこの似顔絵の紙の裏に血文字でいろいろな情報が書かれたものを「ぽっぽちゃん」に託した。

届ける相手はこの女の子のお兄さん。

「ぽっぽちゃん」は届けたい相手がどこにいようと知らない誰かであろうと必ず届けてくれるからとてもありがたかった。

現に私の監禁場所が分かっていないのに「ぽっぽちゃん」はちゃんと私のもとに来ているからね。


そして、もう一つ。

私の血の付いたあの男性の眼鏡の破片をぽっぽちゃんに託した。

これは私の夫に届けるものだ。

私の夫は普段、怠け者で女ったらしで頼りないように見えるかもしれないが、実際はかなりの策略家で思ったよりハイスペックで、私が緊急事態であることさえ伝えることができれば、必ず助けに来てくれる男だ。

まあ、あの心配性の夫のことだし、もう動き出しているかもしれないけど。




さて、これであとは待つだけ。

ぽっぽちゃんが無事届けてくれることを、そして、助けが来てくれることを祈りながら。


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