艦隊の決断
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乗組員の少ないこんごうから、選挙結果が山本の元へ伝えられた。
その後しばらくして、ひゅうがからも選挙結果が伝えられたのであった。
大きく息を吐いた山本は、一言。
「館内放送へ。」と述べただけだった。
今度も大きく息を吐くと、マイクを手に取り
『達する。指令長官山本だ。先程行われた菊水作戦介入についての諸君らの意見を伝え聞いた。
その結果、賛成多数という事に決まった。賛否の数について明確にすることは、この場では避ける。
だからといって、我々司令部が何らかの操作をしたことは一切ない。これは私の名誉にかけても断言する。
ただし、賛否拮抗していたのもまた事実だ。
だが、民主主義の結果として、この結果を私は受け止め、菊水作戦介入を是とし行動する。
むろん、戦争に参加するということは、死と隣り合わせということだ。
だが我らのひゅうがとこんごうならば、多くの日本人を救うことができるであろう。
どうか、かの山本五十六の血を引く、司令長官山本吾郎についてきて欲しい。
以上』
こうして、ひゅうがとこんごうは戦争へと巻き込まれていくのであった。
そして、この場で初めて山本は山本五十六の血を引くことを詳らかにしたのだった。
放送が終わり、運ばれたコーヒーを一口口に含んだ山本は
「戦艦大和とのコンタクトを目指す。
参謀は司令長官室へ来い。
館長、大和の現地点と思われる徳山沖にむかう。対空対潜対水上見張りをげんにせよ。
ただし、燃料節約のため最短ルートをたどること。障害は日本軍でない限り、すべて排除しても構わん。」
これは実質の攻撃命令であった。
徳山沖とは、山口県に位置し、当日呉入りを機雷により阻まれた大和が停泊しているところであった。
「はい。」館長岡本は短く返事すると、航海長、砲雷長にそれぞれ指示を出した。