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最後の英雄譚2  作者: 陽無陰
第一楽章 それぞれの在り方
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1-2 勇者の招致


「ようやく、俺達の出番らしい」


 シヴァは渡された通達書を何事かと待っていた三人に渡す。

 この一月の間、フラウ達と有意義な時間を過ごしたのだが、シヴァにとってはあまり肌に合わなかった。

 というよりも、殺戮の日々こそが彼の日常なのだ。

 人間としては当たり前に得られる、常識、倫理、道徳、愛情、陽だまりの様な日常、人として社会に適合するために必要な知識、行為など与えられることはなかった。

 彼に与えられたのは『勇者』として必要になる知識、及び武力だけ。

 フラウ達もその事を十分に承知しており、なおかつ『勇者』の役割を果たさなくはいけないため、本来ならばシヴァにこういったことは与えるべきではないとも考えているが、せめて愛情だけは与えたかったのだ。――それが、彼を縛る鎖を強固にすると分かっていたとしても。


「長かったけど、それは仕方がない事ね。それより、これは何かしら?」


 通達書に書かれていたのは、コロニーへの招致だけではない。コロニーに着いた際の行動の命令も通達されていた。


「『こちらが指示するまでは穢魔、及び厭魔に手を出すな』ですか……何をしたいのですかね?」


 フラウとしては、この指示は理解できなかった。これでは徒に被害が拡大するだけではないかと思ったのだ。


「噂によると、軍の士気の低下が問題視されているようね。『勇者』に頼る声が多いとか」


 一月の間、ただ観光していただけではない。こまめに、情報は仕入れていたのだ。

 その噂によると、西方の攻略に携わった者は、厭戦気味だという。

 そこから、セレナは士気の向上のために、自分達だけで攻略するのではないかと推測を立てたのだ。


「今さらだな」


 シヴァの声に三人は同意する。

 元々、世界が『勇者』に頼るのは決定事項なのだ。

 問題が出たから『勇者』に頼らないというのは、ある意味都合が良すぎだろうと四人は思うのだが……。


「まぁ……これでどれくらい被害が拡大しようが、俺には関係ない。精々楽をさせてもらおう」


 シヴァとしては、『宝玉の欠片』が手に入ればそれでいいのだ。

 被害が拡大し、それでこの国の軍に致命傷ができようとも、一切興味はない。コロニーを攻略してしまえば、この国に用はない。さっさと別の国に行くだけなのである。

 目下のところ、緊急を有する国はない。ならば、シヴァ達の意思で行動は決められる。シヴァ達が次に行くと定めているのは、ロマーナ王国。

 ロマーナ王国はフレイス王国の南に位置している国で、南方のコロニーを攻略した後に行ける場所としては最も近い。

 だから、シヴァ達はここを次の目的地として定めていた。


「それもそうね」


 セレナ達から反対意見はあがらず、フレイス軍の指示に従う事に彼女達としてもシヴァと同じように異論はなかった。


  ** *


 招致させられたものの急がなければならない訳でもないので、シヴァ達は周囲の景色を楽しみながら拠点となっている場所へと向かった。

 一歩踏みしめるごとに大地の力強さを、そして豊壌なる大地を感じ取れるが、そのような情緒を味わう感性がないシヴァにとって、移動するための足場程度にしか認識していなかった。


「こうして四人で旅をするのも久しぶりだな」


 サティは宙を駆け巡りながら、フレイス王国に辿りつくまでに過ごした日々を思い返す。


「そうね。私としてもこれが一番気を遣わなくていいから楽なんだけどね」


 この四人で過ごした日々は、それなりに長い。とはいっても、シヴァは数年前まで三人の輪に加わることは滅多になかったが。


「そういえば、あの人達はどうしているのでしょうか?」


「穢魔の間引きでしょう」


「それはそうですが……」


 セレナとしては、あの五人に対し特に思うことはない。護衛の邪魔にならなければそれでよく、厄介事を運んでこなければなおよい。その程度の認識でしかなかった。


「そういえば、シヴァはアタルとレイアに『勇者』であることを否定され、自分達が『勇者』になると宣言されたのであったな」


 姿は見えなかったが、その場にはサティもそこにいた。二人は繋がっているので、距離が離れていようとも、その気になれば互いの感覚を共有することは可能だ。


「そういえば、そうだったな」


 シヴァとしてはどうでもいい出来事だったので、つい忘れていた。


「兄様、何と答えたのですか?」


「『勇者』になれるものならばなってみろと言った」


「それはまた……」


 セレナは苦笑する。アタルとレイアは『勇者』というものを勘違いしているらしい。セレナとしても、アタル達が目指す『勇者』というものがどんなものかは理解している。

 だからこそ、滑稽だった。目指す頂というものが、どんなものか理解していないらしい。

 どちらの『勇者』の真実を知ろうとも彼らは苦悩するだろうが、知った事ではなかった。彼らには、是非彼らの理想とする『勇者』を目指してほしいと思った。――世界のために。そして自分達のために。


「何を勘違いしているのでしょうかね?」


「光に群がるのは人間の習性だろう? 光を追求するという意味を知らず、光というものがどれほど醜悪なものかを見ようともしない者達がどうなろうと知った事ではない」


「それもそうですね」


 シヴァの言葉の真意は、ここにいる誰もが知っている。

 太陽(ひかり)を目指すイカロスの翼を持つ二人がどうなるかはシヴァ達にも予測できないが、精々自分達の所業を覆い隠す光となって欲しいと、シヴァ達は思った。

 シヴァ達としては、『勇者』の役割を果たせればそれでいいのだ。二人が二人の目指す理想の『勇者』になろうとなるまいと興味はない。

 その後の事を思えば、なってほしいとも思うが、選ぶのは彼らなので結局のところ、人の選択は人に任せるべきだと思っている。


「来たぞ」


 親しい気配が訪れてくるのが分かる。

 ――ならば、歓迎せねばなるまい。


「私が対処するわね。腕が鈍るといけないから」


「わかった」


 セレナは護衛交代の意思を告げると、シヴァは了承した。

 二人のどちらが、穢魔を殺すかにこだわりはない。

 コロニーの攻略はシヴァが担当となっているが、それ以外に関しては二人はどちらでも構わないと思っているのだ。

 二人は光と影のような存在。

 もしもの時には役目を代えられるように、セレナはシヴァと同じような訓練を積まされてきた。

 だから、セレナにとっては穢魔の群れと戦う事に抵抗はない。

 セレナの視線の向こうには、駆竜種が四、鳥獣種が二、屍骨種が三、豪獣種が一と群れをなし、セレナに襲いかかろうとしている。

 セレナは風の刃をいくつも出し、鳥獣種を切り刻もうと宙を切り裂かせる。

 鳥獣種とて、風を掴む翼をもっていることから風の系統には強いが、避けられないように巧みに風の刃をずらすことで、逃げ道を塞ぎ、加速された鎌鼬が鳥獣種を微塵に切り刻む。

 駆竜種が大地を駆け抜けてセレナに襲いかかるが、ノエシスを纏ったセレナのスピードに追い付かず、一匹、また一匹とその命を断たれていく。

 屍骨種が四本の槍、計十二本の槍でセレナを穿こうとするが、その槍はセレナの残像を貫き、セレナの膨れ上がった光の刀身が屍骨種の身体を粉々に砕く。

 豪獣種が豪腕で大地を陥没させても、セレナの影を踏むことさえ叶わず、加速された水の砲弾が豪獣種の胸部に穴を空けて貫いた。

 セレナはシヴァと同じく、不得意とするものはない。どれも一定以上の効果を発揮させることはできるが、彼女の得意な系統は加速。

 自身やエイドスを加速させ、神速で短期決戦で終わらせるのが護衛として彼女に求められた資質だった。


「私を抜かせたりはしない」


 剣を鞘におさめ、シヴァ達の元に颯爽と戻る。



「では、次は私が行きます」


 十を超える群れがフラウ達の向き先を阻む。

 だが、この程度の障害など障害にもなりえない。

 フラウは、シヴァが戦う時には戦わない。

 それは、何も彼女が力を有していないわけではない。

 シヴァ達にも劣らない、いや同等程度の実力は有している。

 なのに戦わないのは、単にシヴァの邪魔になりたくないからだ。

 訳あって、彼女達は繋がっている。

 それ故に、コロニーの攻略際の様に長期戦、消耗戦が前提となっている場合、彼女が力を使うのは、今現在においてシヴァの首を絞める事になりかねない。

 だからこそ、戦わない。

 本来ならば、シヴァに群がる者達を一掃したいにもかかわらず――。

 だが、今はその時ではない。

 だから今はシヴァの手を煩わせずに済むことで、彼女の力は今までたまった鬱屈を穢魔に向ける事が出来る。


「潰れなさい」


 風と重力の圧縮が十を超える穢魔の群れを一匹たりとも逃さず、その体躯を地面に押し潰した。

 彼女は魔導師。この程度の魔導の種(デュナミス)を操ることなど造作もない。


「兄様を傷つけることなど赦しはしない」


 一歩も動く事なく、彼女は穢魔を殲滅した。



「となれば、我のターンだな!」


 彼女は小さな体躯を宙に駆け巡らせながら、謳うように宣言した。

 彼女が戦闘に立つことなどあまりない。

 彼女は守護聖霊。

 守護聖霊の主な役目は、具象化された武器の制御。

 なので、武器を具象化されてしまえば姿を現すことはできるが、制御に力のほとんどが割かれてしまうため、戦闘能力はほとんどないに等しい。

 だが、それ以外では、守護聖霊の役目である術者の守護という役目を果たせる。

 宙を駆け、穢魔の群れの中心に立つようにその矮躯を配置する。


「頂きます♪」


 闇の顎がサティから発生し、穢魔を呑み込んでいく。

 彼女の特性は吸収。

 シヴァの役に立ちたいという渇望から生まれた制限なき底なしの闇。

 穢魔を吸収していき、ヒュレーに変えていく。

 漆黒の闇が消えた時、サティの周りに存在する者などいなかった。


「御馳走様なのだ♪」


 彼女が吸収したヒュレーはシヴァに取り込まれる。

 シヴァの役に立つ事を謳うように告げる声は弾んでいた。

シヴァ達の進軍を止められる穢魔は存在せず、四人は一切の足止めもなく拠点へと足を運んで行った。

 彼らにとって、穢魔を刈ることは買い物に行く程度の認識でしかなかった。


  ** *


「下がってください!」


「はい!」


 今日もまた、救援をメインに据え、救出活動を行っているのだが、厭魔戦を意識して戦い方を少し変えている。

 まず、アーブが弓ではなく、本来の魔導師たるスタイルに変化している。


「《雹弾(ヘイルバレット)》! 《氷壁(アイスウォール)》!」


 氷弾が降り注ぎ、相手の行く手を阻むように氷の壁が姿を現す。

 氷の壁の高さは一メートル、幅も一メートルもないが、数は五つ以上ある。

 駆竜種は突如現れた氷の壁に怯むも、すぐに乗り越えたり、壊したりして突如として現れた障害をなきものにする。


「降り注げ鉄塊! 《鋼鉄の降雨(スティールレイン)》!」


 直径十センチ程の鋼鉄の塊が駆竜種に雨のように降り注ぐ。

 致命傷には程遠いが、痛みから動きが止まる。

 そこを《疾風迅雷(クイックムーブ)》を掛けてもらい、一時的な軽さから素早さを増したアタルが斬りかかる。

 そこを豪獣種が腕力にものをいわせて襲いかかるが、


「彼の者を災厄から守りたまえ《災厄から守護する輝く盾(アイギス)》!」


 鏡のように光輝く盾がアタルの前に出現し、豪獣種の豪腕からアタルを守る。

 盾は砕け散るが、レイアが横から襲いかかり、加速させた鉄塊を豪獣種にぶつけ、よろめいたところを水槌が豪獣種の頭部を強打し、高熱を帯びた炎剣が豪獣種の命脈を絶った。


「ありがとうございます!」


「治療を」


 救出して貰った兵士はアタル達に一礼し、治療を行っている幕舎に向かった。 

 アタル達が行っているのは厭魔――ジェヴォーダンを意識した戦い。

 アーブが広範囲を攻撃し、敵の動きを封じる。

 レイアが範囲攻撃やスピードで敵を撹乱、陽動し、意識を向けさせる。

 マーテルがレイアとアタルのサポート、及び防御。

 アタルが渾身の一撃で攻撃する。

 それぞれの特性を生かしたコンビネーションで敵を倒す作戦だ。

 問題となる光の狼だが、威力は強力だが、これは接触するものを選ばず破裂する傾向だったことから、数を活かすデュナミスで防ぐ作戦を立てている。

 仲間達の力を活かす事ができれば、きっと勝てると信じ、アタルは次の救援へと向かった。


  ** *


 その日の夜、配給された食事に手をつけていたアタル達の元に、昼間彼らが救出していた兵士達が手に食事を持ってやってきた。


「自分達もご一緒してよろしいですか?」


「ええ、かまいませんよ」


 兵士達も加わり、アタル達の輪はかなり広がった。


「まずはありがとうございます。おかげで助かりました」


「いえ……人として当然の真似をしただけですよ」


 兵士達が一様に感謝を告げる様を見て、アタル達は恐縮してしまった。

 照れが大分混じっていたが、アタル達としても当然の事をしただけなので、どこかこそばゆかった。


「それでもです。あの時は死を覚悟しましたから……」


 兵士達はその時の光景を思い出したのか、身震いしている。


「その……皆さんは穢魔と戦うことは怖くないんですか?」


 兵士達の中の一人が、西方にも南方にも攻略に参加しているアタル達に自分達が抱いている感情を吐露する。恐怖を紛らわせるためか、共感したいためかは定かではないが、明日も戦うために聞いておきたかったといった様子である。


「怖いですよ……でも、僕はだからといって臆したくはないんです。『英雄』になるには、これくらいでへこたれるわけにはいきませんから」


「なるほど……凄いんですね」


 臆面もなく自分の気持ちを吐露するアタル達に、兵士達は尊敬の念を抱く。

 兵士達はアタル達から勇気をもらい、明日も戦えるような気持を抱いていく。


「さすがは『勇者』に同行する人達だ。――『勇者』や『聖女』が穢魔なんかに臆しないのは当然ですよね」


 その何気ない兵士の言葉に、アタル達は渋面を浮かべそうになった。兵士が言った言葉は、自分達がかつて抱いていた感情だ。残酷なまでの押し付けを客観的に見た事によって、自分達が行ってきた所業を垣間見た気がしたのだ。


「当然だろう。『勇者』なんだから穢魔に立ち向かうのは当然だし、世界を救うのも当然だろう。凡人の俺達とはできが違うんだよ」


 続く兵士達の言葉に、アタル達は完全に凍りついた。

 顔が引きつくのが分かる。

 シヴァ達の言葉が胸に蘇る。


「どうしました?」


「いえ……なんでもないですよ」


 その後は雑談をしながら、食事を取ったのだが、どこか食事の味がぼやけてしまい、食事を取った気はしなかった。


  ** *


 ジェヴォーダンは伏せていた身体を立ち上げた。

 侵入者が彼女の領域に入ったのを感じ取ったからだ。

 だが、唸りはしない。臨戦態勢にも入らない。

 侵入者からは自分達と同じような匂いがした。同じ主に仕える同士の匂いがした。


「ジェヴォーダン!」


 呼びかけに応え、ジェヴォーダンは侵入者の元へ近づく。

 近寄ってきたジェヴォーダンの頭を撫でながら、ここに来た用事をジェヴォーダンに告げた。

 ジェヴォーダンの尖った耳は、ぴくりとその声を聞き届けた。

 主からの命令がジェヴォーダンに告げられる。

 ジェヴォーダンに否を唱える気など全くない。その身は主の命を果たすべく造られた身体。ならば、反対する理由など何処にもない。

 ジェヴォーダンは主の命令を叶えるべく行動に出た。


  ** *


 シヴァ達が拠点に着き、南方攻略は最終段階に入った。

 慌ただしく兵士達が準備する中、シヴァ達は暇を持て余していた。


「久しぶりだね」


 シヴァがその声の所在を振り返ると、以前よりも精悍な顔つきをしたアタル達がいた。

 南方攻略に精を出した事が彼らに自信をつけたらしい。


「何の用だ?」


「実はお願いがあるんだ」


 お願いという言葉にシヴァ達は眉一つ動かさずに、続く言葉を待った。


「今回厭魔を倒すのは、僕達に任せてほしいんだ」


 アタルの言葉にシヴァは間、髪も容れずに答えた。


「好きにしたらいい」


 シヴァにとってみれば、誰が倒そうとも関係ない。欠片さえ手に入れば、その過程など考慮するに値しなかった。


「ありがとう」


 そう答えると、アタル達は打ち合わせに入るのか颯爽と去っていった。


「ライバル視されておるな」


 からかうようなサティの言葉にシヴァは肩を竦めるだけだった。



 シヴァ達は戦況を眺められる丘の上で南方に派遣された指揮官達と共に布陣を眺めていた。

 ちなみに、ジャンは片腕のリハビリから、南方の攻略の参加を見送っている。


「では、攻略を開始せよ」


 連絡専用の魔導器を手に、指揮官は攻略の狼煙をあげた。

 今回の布陣は方陣。

 厭魔の脅威を顧み、じっくりと攻略をフレイス軍は進める気だった。


「厭魔、未だ姿を見せません!」


 斥候からの報告に安堵と苛立ちを指揮官は見せた。

 厭魔の存在は戦況を傾ける。

 故に今回は以前よりも細心の注意を払っているのだが、遠望の魔導器でコロニーを監視する斥候からは、未だ発見の報告はなかった。


「何故姿を見せないのでしょうか?」


「まだ、一定区域に近づいていないからかもしれぬ」


 参謀の一人が疑問の声を上げるも、誰も確かな返答を上げる事ができずにいた。

 厭魔の生態については、未だ良く知られていない。

 ただ今までの攻略から、一定区域に近づくことと穢魔の数の減少が一定数に達すると出てくる傾向があるので、この二つを攻略の際の基準にしている面がある。

 ゆっくりと水が漏れだす様に厭魔の数は減っていく。一定区域に近づいても、穢魔の数が予定よりも減っているにもかかわらず、厭魔はその姿を見せない。


「いないのでしょうか?」


「そんな筈はない! そろそろ現れる筈だ」


 一向に姿を見せない厭魔に不安の糸がフレイス軍を絡みつくが、フレイス軍は糸を解くことはできず、ただ不安を抱えたまま攻略を進めていった。



 その日、厭魔は姿を見せず、南方のコロニーの攻略は完遂された。

 ここに、長年フレイス王国を苦しめていたコロニーは姿を消した。



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