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腹ペコ義賊の旅物語  作者: チル兄
第一章 義賊リオニール
9/12

私、これでも凄いんです!(キリッ)

リオニールはとんでもないガラクタを

手に入れてしまったのだ……

 「……でさ、さっきの光って何の意味あったの?」


 『いえ、特に意味はありません。何となく

 光ってみました。こう、ピカッと』


 「無いのっ!?しかも何となくって何さ!?」


 『まぁ、細かいことはいいじゃないですか!』



 全然良くないんだけど……



 「……はぁ……もう良いや。

 ところでさっき言ってた契約って何?」


 『私を使うためには契約が必要なんですよ。

 もし契約をしないで私を使おうとすると……』


 「使おうとすると?」


 『全ての生気を吸い取られて干からびます』


 「怖っ!?」



 そんな恐ろしい物使いたくないよ!!

 今からでも契約破棄出来ないかなぁ……



 『あっ!今、契約破棄出来ないかなぁ……

 って思いましたね?残念ながら、一度契約したら

 破棄は出来ません』


 「心を読まれた!?……契約破棄は

 もう出来ないのか……ハァ」


 『そんな悲しい顔しないでくださいよ~

 損はさせませんから♪』



 もう損してるよ……



 「……君は何が出来るの?」


 『よくぞ聞いてくださいました!

 私と契約して下さった方には

 様々な能力が与えられるのです!』

 「能力?どんな物があるの?」


 『身体能力の向上や、魔法が使えるようになります』


 「魔法って……エルフが使うあの?」

 『はい♪エルフしか使うことが出来ない

 あの魔法です♪』



 おぉ……まさか魔法を使えるようになるなんて……

 実はすごい武器だったんだね。

 ……テンションはアレだけど。



 『因みにマスターの魔力は雀の涙ほどしかないので、

 大した魔法は使えません』


 「……意味ないじゃん」


 『今はの話ですよ!魔力は少しずつ

 増えていきますから、その内すごい魔法も

 使えるようになります!……なるはずです』


 「何で最後は自信無さげなのさ!?……まぁ、良いや。

 今の僕ならどんな魔法が使えるの?」


 『え~っとですね……今使える魔法は

 スキャリングだけみたいですね』



 ……名前を聞いただけでどんな魔法か想像出来る。

 もっとカッコイイ魔法が良かったなぁ……



 「……」


 『あれ?どんな魔法か聞かないんですか?』


 「いや、どんな魔法か分かるし……」


 『そんなこと言わずに聞いてくださいよ~

 説明するの、スッゴく楽しみにしてたんですから』


 「はいはい……じゃあ説明してよ」


 『はい、お任せください♪……コホン。

 え~スキャリングとはですね。

 相手の情報をこと細かく知ることが出来る魔法です。

 一見大したことのない魔法ですが、

 この魔法を上手く使いこなすことが出来れば、

 格上の相手にも有利に戦える

 それはもうスッゴ~い魔法なのです!』



 ……うん、やっぱり想像通りの魔法だったよ。

 僕はあんまり戦闘しないから、

 あまり役には立たなそうだなぁ……



 「なるほど、魔法についてはよく分かったよ。

 後は身体能力の強化についてなんだけど……」


 『あ、それなんですが……』


 「……何か問題でも?」


 『はい。実は長年契約していなかったせいか、

 何か不具合が起きたようでして、

 身体能力の強化がされていないんです』


 「えぇ……」



 これじゃあ契約の意味がないじゃん。



 『まーあれですよ。

 運が無かったってことで!』


 「……」



 スッゴい腹立つ……!!

 絶対悪いと思ってないよこの子!!

 僕は溜め息をつきながら、

 壁に飾られているレーベンクルスを掴む。

 すると何を勘違いしたのかレーベンクルスは

 突然興奮気味に騒ぎ始めた。



 『私を掴むということは、遂に戦闘ですね!?

 フフフ……369年11ヶ月振りの戦闘、

 腕が鳴りますよ!!」


 「いや、君はただ振り回されるだけでしょ。

 それに僕は戦わないよ」


 『へ?』


 「僕さ、脚が速いくらいしか取り柄がないから、

 戦うのって苦手なんだよね~

 だから基本、戦わないで逃げるようにしてるんだ」



 誰にでも得意不得意って物があるからね。

 無理して怪我なんかしたくないよ。



 「だから君が活躍することは無いよ」


 『そんなぁ~』



 レーベンクルスの落胆した声を聞きながら、

 僕は今度こそ部屋を出た。

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