遂に私の出番ですよぉ!
久っさびさの更新!
何とか落ち着きを取り戻して、息を吐く。
そろそろ行かないと。
またあんな目に遭うのは御免だしね。
部屋から出ようと扉に手をかけると--
『ちょぉぉぉっと待ったぁ!!』
誰かに呼び止められた。
え?誰?
周りを見渡してみたけど、僕以外には誰も居ない。
気のせいかな?
『こっちですよ!』
また声が聞こえた。
気のせいじゃないみたいだ……
「こっちってどっちさ……」
溜め息をつきながら、もう一度部屋を見渡す。
すると、蒼い水晶が嵌められた大鎌が
壁に飾られていることに気が付いた。
「まさか……あれ?」
『正解で~す♪初めまして、
古鎌レーベンクルスと申します』
「あ、これはご丁寧に。
リオニールです……って違う違う!!
何で普通に挨拶しちゃってんの僕!?」
思った以上に礼儀正しかったから、
こっちも挨拶しちゃったよ!
それに今更だけど……
「なんで大鎌が喋ってんの!?」
コレ、呪いのアイテム!?私と話したら
魂吸われちゃいますよ~みたいな?
ちょっ怖っ!?まだ死にたくないよ僕!!
『そんな露骨に怯えないでくださいよっ!?
スッゴい傷つきます!!』
「だって怖いじゃん!大鎌が喋るって!
魂持っていかれそうだよ!」
『ひ、酷いっ!?まさかそこらの呪いのアイテムと
一緒にされるなんて……シクシク……』
泣き始めちゃった……
どうしよう……謝った方が良いのかな?
……よし、謝ろう。
元々僕が悪いんだしね。
「あの……」
『グシュ……何ですか?』
「言い過ぎたよ。ごめん……」
『……別に気にしなくてもいいですよ。
慣れてますから』
いや、慣れてるなら泣かない筈じゃ……
『それでも申し訳無いと思ってくれるなら、
私の使い手になってくれませんか?』
「え!?い、いやぁ……流石にそれは……」
嫌な予感がするから使いたくないんだよなぁ……
『やっぱり私なんてぇぇぇ!!』
「分かった!なる!なるから!泣くの止めてよ!!」
僕がそう言った瞬間、レーベンクルスが
ピタリと泣き止んだ。
そして--
『フ、フフフ……フハハハハァ!!』
急に笑い出した。
え?なに?どうしたの?
『フッフッフッ!まんまと引っ掛かりましたね?
その言葉を待ってたんですよ!
これでっ!契約ぅ完・了ぉぉぉぉう!!』
大鎌が叫んだ瞬間、水晶が眩く輝き、
部屋は光に包まれた。