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腹ペコ義賊の旅物語  作者: チル兄
第一章 義賊リオニール
7/12

ヒ、ヒィィィィ!!!?

短い短いみ~じ~か~い~

 「さてさて、出口は何処かな?」



 周りを見渡しながら、城内を歩く。

 ここに来た時に、うろ覚えで道順を

 記憶しておいたんだけど……



 「う~ん……?」



 道が分からなくなっちゃた……

 やっぱりうろ覚えは不味かったかな?

 この城、無駄に入り組んでるからなぁ……



 「取り敢えずこのまま真っ直ぐ行くかな」



 真っ直ぐ行けば出口に着くでしょ。

 ……多分。





 「う……ぐ……」



 痛む頭を押さえながら立ち上がる。

 完全にしてやられたな……

 まさかここまで直接的な手段で来るとは思わなかった。



 「侮っていたか……」



 何が戦うことが苦手だ。

 やはりあの時手を抜いていたのか……


 「痛ぅ……」


 「ライザー、大丈夫か?」


 「何とか……あんにゃろ、本気で殴りやがって」



 顎を擦りながらライザーも立ち上がった。



 「どうしますか?」


 「すぐに追うぞ。むざむざ逃がして堪るか。

 お前はこの事を隊長に伝えてくれ。

 私は奴を追う」


 「了解!」



 リオニールめ……このまま逃がしはせんぞ!





 「やば……」



 完全に迷っちゃった……

 やっぱり適当に歩き回ったのが行けなかったかな?



 「探せっ!まだ近くにいるはずだ!」


 「ゲッ!もう来た!?」



 クルツさん、目覚ますのはやっ!

 ど、どうしよう!

 このままじゃ、僕の人生デッドエンド一直線だよ!!

 何処かに身を隠さないと……

 僕は辺りを見渡し、目についた部屋に飛び込む。

 その直後、僕の居た場所にクルツさんと、

 さっき気絶させた人とは違う兵士が来た。

 僕は扉の隙間から様子を伺う。



 「こっちにも居ないか……」


 「もう逃げてしまったのでは?」


 「……いや、あいつはまだこの城の中に居る。

 断言出来る」



 クルツさんがそう自信満々に断言する。

 断言しなくて良いから!

 僕のことなんて忘れちゃってよ!



 「あいつは考えなしに行動するからな。

 きっと適当に歩き回って迷っているはずだ」



 はい、その通りです。



 「だから……ん?」



 クルツさんが何かに気が付いたのか、こっちを見てる。

 ……って!



 (やばっ!気付かれた!?)



 僕が扉から離れようと後ろに一歩下がった瞬間--



 ガスッ



 僕の目の前に剣が突き刺さった。

 その時に掠めた前髪が、ハラリと床に落ちていった。



 「--っ!!!?」



 僕は声にならない悲鳴を上げてその場にへたり込む。

 ヒ、ヒィィィィ!!!?

 何て恐ろしいことするんだ!!

 お陰で腰が抜けちゃったじゃないか!!



 「ど、どうしたんですか?」


 「いや……何でもない。行くぞ」



 扉に突き刺した剣を引き抜き、

 クルツさん達は僕には気付くことなく、

 走り去っていった。

 助かった……のかな?



 「し、死ぬかと思ったぁぁぁぁ!!」



 殺す気満々じゃん!

 一瞬でも気付くのが遅れてたら

 あの世行きだったよ!



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