脱出開始だ!
今回はかなり短いです。
……まぁ、いつも短いんですがね……
リオニールが私に脱出を宣言してから一日が経った。
リオニールは様々な手段を使って脱出を試みたが、
私はそれを全て防ぎ、脱出を失敗させた。
酷なようだが、リオニールを監視し、牢屋から
脱出することを防ぐのが私の与えられた役目だ。
それを放棄することはできない。
「先輩」
私の後輩であるライザーが歩み寄ってくる。
遂にその時が来たということか……
「時間か……行くぞ」
ライザーが頷いたことを確認して
牢屋の鍵を開け、中に入る。
--が。
「リオニール……?」
牢屋の中にはリオニールの姿が何処にもなかった。
一体何処に隠れた?
牢屋の中で隠れられる場所は限られる。
身を隠せ、尚且つ私達の死角になる場所は--
リオニールの隠れている場所に気が付いた瞬間、
頭に強い衝撃を受ける。
「先輩!!」
ライザーの声を最後に、私の意識は闇に飲まれた。
「うっしゃあ!上手くいった!」
そう言いながら地面に着地してもう一人の
兵士に接近する。
「クッ!」
兵士が慌てて剣を抜こうとするが、
その隙は僕にとっては十分過ぎる物だった。
僕は懐に飛び込んで剣にかけられている手を払い、
腹に肘を叩き込む。
「うおぇ……」
そして、兵士が呻き声を上げて身体を
くの字に曲げた所に顎に掌底を打ち込み、
意識を刈り取った。
「よしっ完璧!」
自分でも惚れ惚れするぐらいに上手くいったよ!
普段もこれぐらい出来れば良いんだけどねぇ。
まぁ、無理だろうけど……
因みに僕は天井に張り付いてました。
いやぁ~やろうと思えばやれるもんだねぇ。
いくら不意打ちとはいえ、クルツさんを
倒せるとは思わなかったよ。
「それじゃ、行きますか!」
脱出開始だ!