第82話 目 公衆電話
これは私が高校の時に体験したお話である。
学校のバス停の近くに公衆電話があった。
その公衆電話はちょっとした噂があり
いわゆる心霊スポットの1つだった。
毎日学校で通う度この公衆電話の近くを通るが誰かが使っているのを見ることはほとんど無かった。
その日も昼間横を通った時は誰も入っていなかったし
ごく普通の公衆電話だ。
学校が終わりM美とバス停近くのラーメン屋に行こうと公衆電話の横を通った時だった。
珍しく誰かが公衆電話を使っているようだ
女性が電話を掛けている。
珍しいなとは思ったが
お腹が空いててすぐラーメン屋の方に向かっていった。
ここのラーメン屋は学校ねすぐそばにあって
すごく安い事もあり学生で溢れていた。
「さっきさ、あの公衆電話誰かが使ってたよね?
珍しくない??」
M美「ん?あのバス停横の??誰かいた?
すみません塩ラーメン大盛りとチャーハンで」
M美がメニューを渡してくる。
「女の人が使ってたんだよね..
私は、醤油ラーメンと餃子ください」
しばらくするとラーメン達が届いた。
M美「気の所為じゃなくて?だいたい最近公衆電話使う人あんまりいないし
はぁーお腹空いてた!いただきます!」
「いただきます...そうか、確かになぁ..」
M美が幸せそうにラーメンを頬張ってる横で
あの公衆電話が気になってしょうがなかった。
M美「餃子いただき!まだ考えてるの??」
「あ、餃子!だって見間違えとは思えないんだもん」
M美「向かいだからさこっから見えたりしない?」
窓ガラスを覗き込むように見る
ちょっと離れたとこに公衆電話のボックスが見える
木が隣に植えられていてちょっと分かりにくい
「ここからじゃちょっとギリギリ見えないわ」
M美「ちょっと離れてるからなぁ
ぼーっとしてると餃子食べちゃうよ」
「だめ、お腹空いてるんだから」
ラーメンを食べてしばらくゆっくりした後
そろそろ出発する事にした。
外に出るとだいぶ日が落ちて暗くなっている
バス停の方に歩いていくと
さっきの公衆電話が見えてきた
薄暗い中ぼぉっとあかりが灯っている。
さすがにもう居ないだろと思っていたが
そこには女性がまだ公衆電話ボックスの中にいた。
コートを着た髪の長い女性受話器を耳に当てて何かを喋ってる。
「ほら、いる...」
M美「え??居ないよー電話ボックスの中誰もいないじゃん
幽霊だったりして」
ハッキリ見えるのにM美にはどうやら見えていないらしい..
横を通る際気付かないふりをした
バスが来るのを待ってる間もその女は電話ボックスの中にいる
M美「??もしかしてまだいる?」
「いる...早くバス来ないかなぁ…」
バスが来るとすぐその場を離れたくて飛び乗るようにバスに乗った。
バスが公衆電話の横を通り過ぎる
見ない方がいいと思ってもつい目線を向けてしまった。
公衆電話ボックスの中先程の女が真っ直ぐバスの中のこっちを見ながらブツブツブツブツ口を動かしていた。
何を言ってるのか気になったが知らない方がいい気がして
考えるのをやめた...
この後この女を見ることは無かった。




