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第79話 目 信号

これは私が高校の時の体験である。


近所の斎場の前には短い信号があった。


小さな斎場で葬儀がある時は前に名前が張り出される

それが出てる日はお葬式が行われている


その日も1件の名前が表に張り出されていた

どうやらお葬式が行われるらしい


ちょっと肌寒い夕方の事だった。


買い物の帰りにちょうどそこの信号に差し掛かった


歩行ボタンを押して信号が切り替わるのを待つ


斎場の張り出された名前の横に

女の人が立っている

長い髪を下げて

項垂れているようだ。


信号待ってる向かい側から

ちょうど正面に見えるところで

気になって目で追ってしまっていた。


あの人なんであんなとこに立ち尽くしてるんだろ...


信号が赤から青に切り替わる


女の人は全く同じ姿勢のまま

斎場に来た人かな?くらいにしか思っていなかった

横を通り過ぎる


真横に来た時女の人が何かを言ってることに気付いた


「...い...な...ない...くない...」


えっ?何かをブツブツ喋ってる?


急激に背筋がゾワッとして

急ぎ足で通り過ぎる

強い視線を感じて目線だけで後ろを確認すると

あの女の姿は居なくなっていた。


ホッとした瞬間


???「死にたくない死にたくない死にたくない」


耳元で聞こえてダッシュで家に逃げるように帰った

あの女はなんだったんだろうか...

斎場で行われていた葬儀はもしかして...


あの女が付いてきたんじゃないかと

しばらく心配だったし

あの声が耳から離れなかったが

変な体験はこの1回だけだった。

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