第67話 目 猫
これは私が小学生の時の話である。
家の周りは小道が多く
色んな道を通って学校を行き来したりしていた。
裏道にはお花が沢山咲いていたり
普段気づかないような発見が沢山あって
ちょっとした冒険気分だった。
その日もすごく天気が良く
裏道を探検していた。
快晴雲ひとつない青空である
家の方に出る裏道で綺麗なお花が咲いていたのを思い出し
今日はそこを通ってみることにした。
人通りの少なさでより冒険感が出る。
細い小道にたくさんたんぽぽが咲いていて
それに夢中になっていた。
秘密の花畑を見つけたような気分だった。
しばらく進むと砂利道のアパートの前に出る
足場が悪いので足首を捻らないように
慎重に進んで行った。
左手が廃墟のようになっていて
家にも生垣にも蔦がまとわりついている
少し不気味な雰囲気を放っていた
家の真ん前に出る小道に差し掛かる
ここを抜ければいよいよゴールだ。
上機嫌で鼻歌を歌いながら歩いていく
真ん中あたりで
猫が塀の上に飛び出してきた
「あ、猫だ!可愛い」
近ずこうとすると猫は気だるそうにこっちを見て
「なーんだーい?」
......???
驚きすぎて時が止まったような感覚になった。
踵を返して猛ダッシュ
表側のとおりに転がりでると
たまたま自転車で通りかかった母にバッタリと出会った。
母「あんた何やってんの?そんなに慌てて」
「ね、ね..猫が喋った!!なんだーいって」
母はすごい怪訝な顔をしながら
母「はいはい...変な遠回りするからそんな目に合うのよ…」と呆れた様子で言われた。
気の所為かもと思ったが
思い出せばだすほど
ハッキリと聴いた気がしてしまう...
喋る猫に出会ったのはこの1回だけだった。




