第56話 目 琵琶湖 (箸休め)
これは私が中学生の時に体験したお話である。
霊障でもないし人怖でもないが
私的には怖い体験の1つだ。
修学旅行で琵琶湖に訪れていた
リクリエーションに入っていた
カヌーの体験をするためだ。
運動音痴だった私はすごい憂鬱だった..
唯一の救いは
一緒に組んでるのが大親友のM美って事くらいだ。
M美「カヌー嫌すぎ...無理だよ」
朝からずっとネガティブな事ばっかり言ってる
M美も私も運動音痴なので
カヌーが転覆するんじゃないかって不安でいっぱいだった。
カヌーの説明を受けたが
緊張でほぼ頭に入ってこなかった。
まず最初は2人でカヌーに乗り込む
私が後ろ前がM美
水との距離が思ったより近く
転覆しそうなくらいグラグラして最初は怖かったが
ずっとM美がギャーギャー騒ぐので
思ったより怖くはなかった。
「落ちつきなよー騒いだら転覆するって」
私がそう言うと
顔を真っ青にして急に大人しくなった。
必死に2人で漕いで何とか岸に戻った。
もう終わったと安心していたのもつかの間
カヌーを教えていたお兄さんが
「次は1人で乗ってもらいまーす」
そう言って何人かを前に呼び出した。
選ばれたくなさ過ぎて目を合わせないようにしていたが
それが逆効果だったのだろうか
お兄さん「じゃぁ!君も前に来て」
前に呼び出され泣く泣くカヌーの前に並んだ..
緊張し過ぎて何の話も入ってこない
一通り説明を受けて再度カヌーに乗り込む
「嫌すぎる...やめたい..」
選ばれ無かったM美はすっかり安心しきって
M美「いけー!大丈夫!大丈夫!」
呑気なもんである...。
深いため息をつきながらカヌーを漕ぎ出した
バランスを取るのが思ったより難しく
グラグラする
多少漕ぎ出しあのお兄さんの目を盗みあたかも遠くまで行きましたよみたいに岸に戻ったら
お兄さん「全然行ってない!はい!もう1回」
そう言ってカヌーごと沖に向かって押された
「くぅ...バレた...」
仕方なく泣きそうになりながらマーカーがある所までカヌーを漕ぐ
マーカー近くで波が強くなりどっちに舵を切っても上手く進まなくなった。
「えっ?どうしよう」
慌てて岸にいるM美の方に手を振り
ありったけの大声で
「助けてー!先生に伝えて!」
と叫んだが
M美には聞こえておらず
私の手を振りに
M美「おーい!」と満面の笑みで手を振り返してきた。
何回繰り返しても同じ
ついには隣にいる友達まで手を振り始めた。
「うぅ...気付いてない...」
どんどんカヌーが流され波が強くなり
気づいたらみんながいる所からかなり流されてしまった。
岸にいる誰も私が流されたことに気付いていない
「死ぬかも..」
めっちゃ泣きながら必死で漕いでたら
ガタンっ!オールに何かが当たった
???「なんだ?カヌー流されたのか??」
「うわぁっ!」
それは爆笑してる漁船のおじさんだった…
おじさん「流されるなんて大変だったなぁ..あははは!」
漁船のおじさんに引っ張ってもらって無事私は岸に戻ることが出来た。
先生と漁師のおじさんが話してる横で大号泣の私
漁船のおじさんに合わなかったら私はどうなってたんだろうか…
考えただけで恐ろしい...
爆笑してるM美
M美「遭難してたのかよ!あははは!」
笑い事じゃなさ過ぎて
助けてくれなかった悲しみで
しばらく口を聞かなかったのは言うまでもない...




