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第42話 目 日本人形

これは私が成人してすぐのお話である。


その日は母とデパートに来ていた。


デパートでは日本人形が沢山並べられており

子供の日に備えたものが売られていた。


人形嫌いの私とはだいぶ縁遠いものである。


雛人形や五月人形など色々な種類が展示されている

人形嫌いではあるが怖いもの見たさで

見るだけ見て回っていた。


小さなお人形からかなり大きなものまで並んでいる


人形だからだろうか四方から視線を強く感じる。


しばらく店内を見て回っていると

母が指を指しながら


母「見てこれ!成人式の時のあなたにそっくり!」


そこにはかなり大き目な日本人形が置いてあった。


私が成人式に着た着物と同じ柄

同じ色の帯

更には髪型も全く一緒似たような髪飾りまでしていた。


あまりにも一致する場所が多くてちょっと気持ち悪いくらいだ


「本当だ...ほぼ一緒じゃん..ちょっと不気味なんだけど..上の階のロフト見に行こうよ

ここ人形だらけだし…」


母に場所移動を促してその場から離れた。


上の階のロフトや本屋でお買い物をし

レストラン街でお昼を食べ

ブラブラしているうちに

すっかり人形の事など忘れていた。


帰りのエスカレーター

人形が置いてあるフロアに差し掛かる


母「ちょっといい...?」

そういうと再び人形の売り場に入っていく


「早くしてよ??」


跡を付いていくと先程の人形の所で立ち止まった。


母「見て...?さっきあなたに似てる人形あったのここよね?」


「そうだけど...」


ケースの中に人形が飾られている

だがどう見てもさっきと着物の色も違うし

髪型も全然違う...


「あれ?場所間違えてんじゃない??」


さっきの人形があった場所と違うのかも

そう思って店内を1周まわってみたが

さっき見た人形はどこにも無かった。


母「見間違い...え?そんなことあるかしら」


2人でハッキリ見たし間違いなく置いてあったはず....

私にそっくりな日本人形は跡形もなく消えていた


何とも不思議な体験である。

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