第15話 目 鬼の形相
これは祖母の家で体験した話である。
私は祖母の家の仏間でお昼寝をするのが好きだった
ベランダから入る風が心地よい
お昼ご飯を食べたあとのお昼寝が1番最高
満腹感ですぐうつらうつらと瞼が重たくなっていた。
なんの夢を見ていたとかは覚えていない
だがまだ目を覚ました訳ではないが
目を開けてもいないのに
枕元に人がいるのが分かる
気の所為?
いや明らかに誰かいる。
お母さんかな...いや
頭の中に映像が流れてくるように相手の姿が見えてきた。
髪の長い着物を着た女性見た感じ知ってる人ではないようだ
その女性が私の枕元に立ち顔を覗き混んでいる。
鬼のような形相で
怨み、怨念を感じるような恐ろしい顔
頭の中で目も話せず起きて動くことも出来ない。
女の恐ろしい顔が近づいてくる
ググググググ.......
鼻先が当たるんじゃないかまで近づかれた所で
夢の中で気を失った。
起きると眠ってからまだ少ししか経っていない...
早すぎる鼓動
背中は冷や汗でTシャツがぐっしょりと濡れていた。
母にお昼寝の際に見た女の事を話すと
夢だと言われた。
確かに目を覚ましてたかと言われると
目を閉じたままだったわけだし...
夢だったのかな…と無理やり納得することにした。
後日母は祖母に
「あ、そういえばあの子仏間で昼寝した時変な女を見たとかいうのよ夢でしょ?って言ったんだけど」と
笑い話のつもりで話したらしい。
祖母は真顔で
「あぁ...鬼のような女だろ?」と言った
「えっ?見たことあるん...?」
そう聞くと
「たまに来て顔を覗くんだよ
まぁ...知らん人だけどね。」そう言ったそうだ。
鬼の形相の女は私の夢って訳では無かったらしい。
あれから1度も見ていないがあんな恐ろしい体験はもうしたくない。