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闇覗き  作者: ありす
14/43

第14話 目 留守電メッセージ

それは中学生の頃の話。


私の家は留守番電話によくメッセージを入れる家だった。


「今から帰るよ」

「おばあちゃんの家に先に行ってるわよ」

「今日は帰るの遅くなるよ」


などなど

家に帰ってきて

玄関の固定電話のメッセージボタンを押すのが日課だった。


今日も帰ってきて早々いつものように

メッセージ再生のボタンを押す。


メッセージは3件

「○月✕日○時〇分

もしもーし今から帰るから悪いんだけどご飯炊いといてもらってもいい?2合でお願い」

これは昨日のメッセージ


2件目

「○月✕日〇時〇分

もしもーし帰ってきたら洗濯物入れといてくれる?雨降りそうなのよ今から帰るからお願いね」


雨か...


窓から外を見ると確かに雲行きが怪しい

雨が降り出しそうだ。


メッセージは3件

「ん?もう1件あるけど誰だろ?」


「○月✕日〇時〇分

.............」

ん?

無言が続く

「.......も..もし...」

電波?

「もし...もし..

もしもし、もしもし、もしもし、もしもしキュルキュル...もしもしもしもしもしもし」


無機質な聞いた事のない声


「うわぁ!」びっくりした勢いで伝言メッセージの消去ボタンを押した。


何今の..


私はしばらく放心状態になりながら固定電話を見つめていた。


プルルル..プルルル


「っ!」

恐る恐る受話器を取った。



「は、はい....」






「もしもし?ちょっと洗濯物入れてくれた?雨降ってきちゃってさバスがなかなか来ないのよ」

聞きなれた母の声に私は安堵した。


「あ、あのさ留守番メッセージ今日2件入れた?」


「あんた何言ってるのよ1件しか入れてないよとりあえず、早く洗濯物見てよね!」


ツー..ツー..


母のイタズラを疑ったがそうでは無さそうだった。


無機質な機械的な声

まるで壊れたテープのようなもしもしが

しばらく耳から離れず

留守番メッセージを再生する習慣はその日から辞めた。

後々帰ってきた母に

びしょ濡れになった洗濯物を怒られたのは言うまでもない。

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