どうしてくれるんですかこの状況!!!場がヤバいじゃないですか!
そんな状態でチャイムが鳴ったので、何事も無かったかのように皆席に着く。
いつも通り聞きたくもない先生の連絡が入る。
だが、今回はいつもと違い、全員の表情が退屈となることは無かった。
私は頑張って先生の方に視点を向けてやり過ごそうとしたが、この瞬間少しでも目線を外してしまった場面があった。
本当にまずい状況になったと理解した。
(いやいやいや何でこんな状況になってんの?
ていうかあいつ!陰キャ特有の距離感間違えるやつこっちにも適用させてくんなよ!)
というか一度ぐらい話しかけられたぐらいでこっちに話しかけるのは止めてほしいのだが。
話しかけられた時にはよっちゃんも状況を理解できていなかったし、当の本人ですらあまりこの状況を理解できていないんだよ!
というか、理解したくない。
終わりのチャイムが鳴り、光の速さでよっちゃんの席に移動する。
なんか一挙一動が注目されているみたいでめちゃくちゃ嫌だ。
「みー!これどういう状況になってんの!?」
「私が聞きたいよ!?
(コソコソで)多分だけど、ありゃあ陰キャ特有の距離感間違えるやつだと思う。」
「はぁ...はぁ!?
なんであの狼が陰キャってことになってんの!?」
「声が大きいよ!よっちゃん!」
「ご、ごめん。
で、なんで話しかけられるぐらい接点持ってんの?」
「い、いや〜、たまたま電気屋で会った時にちょっと話しただけなんだけど...ね。
出会い頭に『あっ、すみませんでした!』って言ってくるもんだからびっくりしたんだよ。」
「そうなんだ...まさかあのイケメンが陰キャだったとは...。」
ははっ、と言いながらこの状況を打破する方法を考える。
まず、実はめちゃくちゃ陰キャでした!とか言ってみるのを考えてみたが、そんなことをした暁には『んな訳あるか!!』とクラスメイト全員から言われ、私に大バッシングを食らうことになるだろう。
なんとしてもそれは避けたい。
ていうか自分にヘイトが向かないために考えてるのに火にガソリンぶちまけるような行為はゲームの悪役でもしないわ!
「えっと、みー?」
じゃあどうする?陰キャであることを隠せてなおかつ良い感じで私が巻き込まれ無いようにする方法は!?
...
...
...
そんなもんねえよ!
あー!もうどうすれば...。
「私は悪くないのに!」
「あの...何゛が悪くないんですか?」
悪寒が漂う。
「えっ、と...いや...とくにはなにもないんですけど...ね?」
振り返りたくない振り返りたくない振り返りたくない
やだやだやだやだ!
だって、ていうかなんでもう面倒なことに巻き込まれるの!?
恐らく、振り返ると取り巻きの一人がいることだろう。
あいつらと戦うのはとっても嫌だ。
でも、確かに来ると思ってたけど、放課後に呼び出されるとかじゃないの?
あばばっばば!
ヘルプミーよっちゃん!
その聡明な頭脳で私を救って!ってあれ?
何恋は盲目みたいだから仕方ないねって言う感じ出してんの?
何これから修羅場を乗り越えていくんだね...みたいな感じなの?
もうこれは逃げれる気がしない。
あーーーーーーーー!もう、真剣にバトルするしか無いんですかね?
もういっちょやってやりますか!
「えっと!なんですかぁぁ...。」
うーん、更に悪くなったみたいだ。
どうせ出てくるにしても下っ端ぐらいだと思っていた。
ワンチャンレスバなら勝てるだろうと踏んでいた。
だが、これは完全なる反則だと思う。
目の前にいたのは、これまた美少女で有名な、一個年上の人だったのだから。
主人公曰く、タイトルの数十倍やばかったらしいです。