眠たかったからつい...って言って起きれなかったらだめじゃない!?
「うーん、やっぱり面白かった!
流石推しの勧めてくれた作品ではあるわ。
でも今回はそんなに鬼畜仕様じゃなかったよね。
遂にこのゲームにも手心が...いや前と比べたらという話なんだけど。」
時計は十一時を指している。
始めたときは五時だったので既に六時間が経っていた。
しかし、今までのシーリズに比べたら楽な方だったので、当初に立ていたで配信を見ながらゲームという予定から大幅に外れることとなった。
「今回は鬼畜仕様じゃなくて丁度良い感じでめちゃくちゃサクサク進んで楽しかったな。
さーて、配信待機させときながらカップラーメンでも食べるか〜。」
両親はもう既に寝ているので、起こさないように台所へ向かう。
無事戻ってこれて、お湯を注いで三分待っている間、思わず一人で今日の配信の様子を想像する。
「レストさんの配信中に、どんなおもしろ場面に遭遇できるかな?
絶対あそこのシーンツッコミいれるんだろうし。
めちゃくちゃ楽しみすぎるな〜。」
だが、今日も遅刻しかけたので、流石にまずいと思い、とりあえず一度仮眠しておこうと思い、スマホのアラームを設定しておいて、ベッドに横たわった。
だが、今考えればわかる。
ぜってー起きれないやつじゃん...と。
ピピピ、ピピピと目覚まし時計が鳴る。
「なんでスマホのアラームじゃないんだろう?まあいいか、さーて配信見る...って何でこの時間になってんの!?」
案の定、アラームをしていた時間に起きれることは出来ずに、目覚めたときの時刻は既に学校へ行く身支度をしないといけなくなっていた。
「今まではこんなこと無かったのに...。っていうか制服のまま寝てんじゃん。制服から制服に着替えるって...笑えね。」
しかもしかもでこの時に更に不味いことを思い出す。
「ということは...私自転車を制服着ながら漕いでたってこと?
うっわ、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん。
しかも汗ばんでるから...うっわ考えたくも無い。」
幸いなことに1度目のアラームで起きられたため何とか朝ご飯を犠牲にシャワーは浴びれそうだ。
といってもいつも朝ご飯には犠牲になってもらっているが。
急いで支度を済ませた後、カバンと着替えの服を持って階段を降りた。
すると、玄関から人の気配がし、その後すぐに理解する。
「あら、希美、こんな時間に起きてくるなんて珍しいじゃない。
御飯作っておいたほうが良かったかしら。」
「大丈夫だよ、お母さん。シャワー浴びるだけだから。」
そう、玄関にいたのは私の母親だった。
父親は転勤でここには今は住んでいない。
だから元々はここに住んでいたわけじゃなく、家を転々としていたのだが、私が中学生になったことで引っ越しは止まった。
ちなみにオタクになった原因は、小学生の時に友達があんまり出来なくていじけてたらアニメとかにはまちゃったというという感じなんだけれども。
「気を付けて行ってね?弁当忘れちゃだめよ。
あとは、他の人よりお金持ってるからって言って無駄遣いしないこと、分かった?」
昨日早速キーボードを買って無駄遣いしたかもしれないことは黙っておこう。
実は、切り抜きを続けている中で自分のチャンネルも収益化が出来るようになった。
大体はレストさんにスパチャして還元しようとしているのだが、少しだけ手元には残してある。
今回買ったキーボードも、その中から出していた。
「はいはい。そんなに外でないから大丈夫だよ。」
「外には少しぐらい出てほしいんだけどね...本当に運動してよね?」
私はこんなことを言っているが、本当に完全なインドア派なので皮肉とかではない。
前までは外に出て運動しろと顔を合わせるたびに言ってきたのだが、今では言っても無駄だと思ったのか本当に今回みたく話題に挙がらない限り言われることはなくなった。
「気が向いたらだけどね。」
「そう言うと思ったわ。まあもう行くから。」
気をつけてね。怪我だけが本当に心配なんだから。」
「そっちこそ気をつけてくれないと。
じゃあシャワー浴びてくるわ。行ってらっしゃい。」
「心配ありがと。行ってきます。」
なんか久しぶりに朝から会話を交わしたような気がして少し心が暖かくなったような気がした。
でも、きっと気のせいだ。
だって、もうあと十五分で家を出ないといけないのだから。
「あれ、大分まずいのでは?」
またもや駅までダッシュしないと間に合わないのかもしれない。
これはある意味体が暖まりそうだ...と絶望しながら脱衣所へ急いだ。