運営の安息(6日目)
響の誕生日である6日目、彼が家に帰っている夕方頃。
いつも騒がしい会議室は異例の静けさを保っていた。
「昨日今日は平和だった……」
「第一サーバーは問題児がなりを潜めていた二日間……いや、こわぁ」
「昨日はおかげで心穏やかにイベントの話つめれたしよかったなぁ」
「…………嵐の前の静けさっすねー」
「「「「「黙れ!!」」」」」
普段から「っべー」とおちゃらけている男の空気を読まない一言に、冷静な第二サーバー管理者を除いて全員が睨む。
「それで課長、先程イベント担当の方から最終決定がされたとシナリオとシステムに関してのファイルが来てます」
「ほう。早速見てみるか。ふむふむ……む? ぬぬぬ? 特設フィールドでこれをやるのか。正史に反映されないとはいえよりによってあっちの話か……」
「確かにこれなら正史通りにはなる難易度だけど、大団円にはかなりの道程になりそうだしちょうどいいやんけ」
「アルフレッドを倒せてもこの面倒な謎解きがあればそう悪さもできないしな」
各々が決定した第一回イベントの詳細について語り合う中、課長は管理課としての合意サインを書き、一呼吸おいてからコーヒーを口に含んだのだった。




