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父と息子の異世界漂流  作者: 佐藤 学
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第84話 ラースの背負う責任

ローガー、ラース、フレデリクセンの話しは続く。


「これからの話しをする前に、差支えなければ、二人が歩んできた事を教えてくれないか。」

「えー・・・なんていいますか・・・」

「いや、スマン。・・・無理を言ったな。」

「フレデリクセン殿、・・・ローガー様に全ての秘密を話す事も信頼の証になるのではないでしょうか。」

「ラース殿、宜しいのですか?」

ラースはフレデリクセンにうなずく。

「ローガー様、ここからお話しさせて頂くお話しは、フレデリクセン殿以外は知られていない事になりますので・・・すみませんが、人払いを。」

「わかった、レナ。」

「はっ」

レナとエルフのピケが部屋から出ていくのを、フレデリクセンが視線で追う。出ていくのを確認し、話し始めた。

「それでは、私からお話しさせて頂きます。」

フレデリクセンの話しは、自分の生い立ちから始まり、父親を殺めた所までを話した。その後、ラースの話しがあり、過去の戦争の話しから始まった。

ラースは、過去のシュミール人と他種族軍の戦争時にも、参戦していたという。エルフの寿命について、改めて感じさせる話しだ。

彼は、おさの息子として、参戦しており、シュミール国の英雄であり、天才魔導士シュヒールヒ=ライスと対峙していたという。その戦争時、伝染病が発生し、それが戦争終結のきっかけにもなったが、その伝染病は、ラースを中心としたエルフ族が作った病魔だった。


ただ、その後のシュミール国の対応は、ラースが予想もできない事だった。


日本人である。


ラースは、日本人が異世界から呼び出させられ、奴隷の扱いを受けている状況について、自分の責であり、エルフが日本人に対して背負う業だと思い込んでいる様だ。彼は、その後も、日本人を解放する為、長い間、シュミール国と戦い続け、転機となったのが、活動家軍との合流であり、首都ココでの奴隷解放だった。


ただ、首都では、奴隷を解放する以外に目的があった。

日本人を呼び出す魔法陣の破壊である。


その魔法陣に関して、どうやって知ったのかを聞いたら、フレデリクセンが話しを続けてくれた。


フレデリクセンは父親殺害後、シュミール家の戦士長であったカンター=コンラートの手引きにより、シュヒールヒ家を占拠。そこで魔法陣の事を記載した書物があり、知ったという。


その後、首都で魔法陣の破壊を成功したが、その際、ラースは、王宮でフォージ=ナインズと鉢合わせて戦闘となり、激戦の末、今の身体になってしまったとの事だった。


日本人を呼び出す魔法陣に関して、詳しい詳細も説明してくれた。

なるほど。日本人は、複製であり、故郷にも戻れないという事か。

この事を知れば、命を捨てる日本人も多いだろう。

追々、戻れない事は伝えなくてならないが、時期を考えないといけないな。


色々と話してくれた二人に礼を言った。


ラースに関して、シュミール人が行った事であり、彼が責を負う事はないと思うが、きっかけになった事は事実であり、彼の思い分からなくはない。


改めて、三人だけの秘密にする事を誓った。

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