第78話 真実・続き
紘子と裸でソファーに横たわっていた。紘子が自分の頭をなでながら、話しを続けてくれた。
その後の話しが頭に入るか分からないが。
紘子の胸に顔をうずめながら、話しを聞いた。
魔法陣を使用して、異世界から日本人を連れてくる方法だが、日本にペーストされた者が座標を決め、魔力が溜まり次第、座標を指定した場所が、こちらの世界にペーストされるという仕組みだった。魔法陣を破壊しても、魔力溜まりは消滅しない事が分かり、活動家軍のメンバーは、日本にペースト後、魔法陣を壊し、その後、日本に居るシュミール人達を始末し、座標の指定を出来ない様にしたようだ。
前に幸樹達と話していた事を思い出す。
「大都市で転移がなくなったり、時より日本からの転移も止まったりしたらしい。」
紘子達が潰していった結果、相手も裏をかく様に、小さな村をコピーしようとしたり、足掻いていたのか。
紘子の話しは続く。
私と一人の仲間が生き残り、公彦達が住んでいた村にたどり着いた。そこで、公彦に会い、好きになった。そして、愛の結晶である渉が出来た。
ただ調べると、この村では、コピーが終わっており、もう、どうする事も出来なかった。それに、私達は、魔力があまりない環境で、魔法を無理やり使ってたから、もう身体が限界で耐えきれず、私を最後に、みんな死んでしまった。
「渉って、紘子の血を継いでるから、魔法使える?身体の構造も違うのか。」
「うん、仲間が隠蔽と制約の魔法を使えてね。身体の構造を隠蔽して、魔法を使うと規制がかかる様、制約もかけたの。私が出産する時も隠蔽を使った。」
「そっか。」
渉は魔法が使えるのか。
「それと、こっちに居る紘子と日本に居た紘子は、記憶が共有してるのか?」
「覚えてる?このペンダント。」
紘子がペンダントを取って、自分に見せる。
「あれ、この赤いルビーがついていたの、日本でもつけてたよな」
「そう、この石、魔法の道具でポインターって言うんだけど、コピーした人間がポインターをつけた状態でペーストすると、向こうに居る自分の情報が引き出せる様になるんだ。」
「まだ、つけてたんだ。」
「外せないよ。二人との関係がきれちゃう気がしてね。」
「そっか。」
紘子とキスをして、ソファーでまた抱き合った。