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父と息子の異世界漂流  作者: 佐藤 学
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第47話 オーガ族・シュミール国戦争の前

「ようやく、マーフについたか」

フォージ=ガイウスが軍事都市マーフに到着した。到着してすぐ、兄であるカイルの元へ行く。そこで見たのは、カイルの変わり果てた姿だった。右の耳辺りに包帯を巻き、顔には生気がない状態だった。ただ、目だけは異常に血走っている。いつも余裕のある顔をしていた兄とは思えない程だった。

「ガイウス、良く来てくれた!」

ガイウスの肩を叩く。

「兄上、後は私にお任せ下さい。」

「頼もしい、弟だ!」

それじゃ、早速ゴミ共を拝みに行こう。


ガイウスは兄にも告げず、少数でオーガの森へ行った。森へ近づくたび、何とも言えない緊張感が漂っていた。俺はこの感じが好きだ。森に入る手前で声が聞こえた。

「停戦にきた使者か?去れ、停戦はない。」

ほう、森の中、こっちを見ているオーガが居る。多分、手に何か持ってるな。石か、それもかなりでかい。

「なぜ俺がゴミ共に頭を下げなくてはならない。停戦じゃない、宣戦布告だ。俺が来たら、戦争は終わりだ。お前らは全員死ぬ。」

「囀るな、下等な生物が!」

足元に石が飛んできて、地面に埋まった。

「まあ、今日は始末するゴミを見に来ただけだ。じゃあな。」

「待て!」

一層、風格のあるオーガが姿を現した。

「なんだお前は、ゴミの親玉か?」

「ああ、無知で下等な者よ。お前を殺す者の姿だ。」

「そうかい、じゃ。」

オーガの長が姿を現したが、素っ気無い態度でガイウスは去った。


「あれはすげぇな、楽しみでしょうがねぇ。」

帰り道を満面な笑みで帰った。


軍事都市マーフに戻ると、カイルが必死の形相でガイウスの元に来た。

「お前!何処に行ってた。」

「えー、オーガの様子見に。言ってませんでしたっけ。」

「勝手な行動はするな、俺が指示する!」

ガイウスがめんどくさそうな顔をしていると、奥からもう一人が近づいてきた。嫌な人間の一人だった。

「お久しぶりでございます、ガイウス様。」

「ああ、ベルケル。久しぶりだな。父上は息災か。」

「ええ、今も精力的に活動されております。」

俺はベルケルが父以上に苦手だった。全てを見透かす様な目も、飄々とした態度も、何もかもが。

「さっ、お二人共。オーガ討伐について、軍議を開きましょう。」

ベルケルは、カイルの背中に手を回し、戻る様に促す。兄はベルケルの姿を見て、以前の顔を見せ始めていた。まるで、首輪を繋がれた犬の様だと思った。


ベルケル、俺を飼いならせると思っているのか。


ベルケルは、後ろを向き、自分の方を見る。その目が物語っていた。


当然でしょう、忠犬の働き、期待してますよ。と

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