表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
父と息子の異世界漂流  作者: 佐藤 学
31/103

第31話 教会に行く

用意してくれた服装に着替え、外に出ると、道路は石畳になっており、行き交う人々はキックボードの様な、足で漕ぐ乗物に乗っていた。ゾーイさんは、「こちらで移動します」と二台のキックボードを指差す。高校時分は、スケボーにはまっていたが、まさかこの年でキックボードに乗るとは。車輪は透明な分厚いタイヤのような履いていて、この世界にもゴムの様な物があるのかと感心して見ていた。ただ、魔力を通していない動きの悪い義足では乗れる自信はなく、貰った魔石を使い、体に魔力を流すと、問題なく乗れた。ただ、魔力をまとい、身体能力が上がっているせいか、一漕ぎでかなりのスピードが出て、焦った。その様子を見ていたゾーイさんが慌てて「すみません」と声をかけてくる。

「ごめんなさい!この乗物、魔力を使用して乗る様に出来てなくて」

自分の足を見て、魔力を使わないと操作出来ないかもと、悟ってくれた様だ。

「私の後ろに乗りませんか?スペース空いているので。」

かなり恥ずかしいのだが、他の乗物はなさそうなので「失礼します」と後ろに乗る。

「しっかり、私の肩に掴まって下さいね。」

いいのかなと思いつつ「失礼します」と肩に手をのせる。ゾーイさん綺麗だし何かカッコいいな、幸田こうださんに軽めな嫉妬を覚えるね。


外国の古い町並みの様な、雰囲気の良い景色を走りながら、ゾーイさんに話しかける。

「ゾーイさん、魔力を使用する乗物もあるんですか?」

その話しを聞いてゾーイさんは、考えている。

佐藤さとうさん、すみませんが、先に教会へ行ってもいいですか?」

そういえば、どうして今日の予定に教会が入ってるんだろう。その事を聞くと、どういう目的で行くのか教えてくれた。

教会では、人々に言葉とリンデンで使える簡易的な常識を教えてくれるそうだ。それも、インストールという魔法で。子供が生まれたら、まず教会に行き、魔法をかけてもらう様だ。改めて、こちらの世界では、魔法が人々と密接していると改めて思った。ちなみにこの世界の言語は、創造神ユナン様がお作りになった、ユナン語という言語がある。全ての種族でも使用されており、普及率はこの世界外から来た日本人以外は全ての人が使えるとの事。まあ、こんな簡単に言葉も覚えられるなら、よっぽどの事がない限り、使えない人はいないよな。それに、リンデンの常識というのもインストールされると、先ほどの自分の質問にも答えが出るそうだ。まぁ受けてみれば分かるだろう。


ゾーイさんから連れてきてもらい、教会に到着する。


教会は思っていたより、小さ目な建物だった。外国の大きな教会を想像していただけに、ちょっと肩透かしな印象だった。そんな自分を見ながら

「思ったより、小さいですよねぇ。私がヨーロッパの大聖堂を見に行った時は、もっと派手で大きかったですから。」

少しがっかりした顔をしていたか、いかん。改めて顔を引き締め、教会に入る。


教会に入るとゾーイさんは神父に話しをしている。ユナン語で話しているので、何を言っているか分からない。その間、周りを見回し時間をつぶす。


ゾーイさんが、二人の神父様を連れてきた。これから、この二人が儀式してくれるのか。

「お待たせしました。こちらの神父様がインストールの魔法を、そしてもう人の神父様が回復魔法を使ってくれます。」

「・・・ん、回復魔法は必要なんですか?」

「はい、インストール魔法は、脳に負担が強く、体調が悪化します。なので、回復魔法も同時にかける事により、身体への負担を軽減し安全にインストールできる様になります。このやり方は、全ての国でやっている方法だと思いますよ。」

それは、そうだよな。子供が受けるんだから。


インストールの魔法が行われ、脳に強制で情報が詰められる。すごい情報量であり、回復魔法がなかったら、痛みも凄そうだ。魔法が終わると、急な眠気があり、教会で一時間ほど休ませてもらった。


目を覚ますと、神父様とゾーイさんの会話が理解出来る様になっていた。またリンデンには、色々な魔力を使用する道具がある事がインストールされた常識で分かった。


こんな便利な魔法があったら、英語の授業が苦手なわたるも簡単に覚えられるのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ