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父と息子の異世界漂流  作者: 佐藤 学
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第26話 活動家軍の基地に向かう

妻が居るという、活動家軍の基地に向けて、出発する事になった。目的地までにオーガの森、シュミール国の軍事拠点マーフ付近を経由する必要があり、注意して移動しなければならない。そこで、途中から北の国リンデンの国境付近を通るルートで行く事になった。


リンデンという国は、魔道士リンデンが興した国であり、魔法の力で、国を繁栄させていた。食糧生産、産業の発展も積極的に行われており、他国を攻めるより、自国の開発を優先している。この世界でも、安定した豊かな国として有名だが、近年、キナ臭い話しが出てきた。隣国からの侵略である。隣国は多種族国家であり、昔からエルフが代表として統治し友好的な関係だった。だが、エルフの奴隷であったシュミール人に一人の偉人シュヒールヒ=ライスが生まれ、事態は変わった。シュミール人の反乱である。その勢いは凄まじく、シュミール人対様々な種族が手を取り合った多種族軍の戦争にまで発展する。その戦争中、謎の病がシュミール人達の間で流行。その病にシュミール人の約7割ほどが感染した。感染すると、シュミール人同士で子供が生まれなくなり、子供が生まれやすく、他種族より人口が多いという利点の根本が崩れた。また、シュミール人全体で精神的なショックもあり、勝ち筋の見えていた戦争も、お互い痛み分けで戦争終了になった。このまま、人口増加が望めず、また日陰の位置に戻ると思われたが、偉人ライスの研究により、病は取り除く事は出来ないが、違うやり方で人口を戻せる案が確立された。異世界でシュミール人とほぼ同じ日本人を連れてくるという案だった。その方法が上手く行き、多種族軍を排除し始め、次に狙うのは豊かな国リンデンだった。なので、リンデンの国境付近には、重々しい警備と雰囲気が流れている。


幸樹こうきの話しを聞き思った。シュミール人を奴隷にしていたエルフ達の因果応報と。ただ、その中で自分達、日本人は全く関係なく、誘拐され、利用されている事に、ハラワタが煮えくり返る気持ちだった。


アリーサ達の家があった森を抜け、オーガの森付近に近づく前、野営をする事になった。


トラックから食べられる物を引っ張り出している幸樹こうきに声をかける。

「なぁ聞いてもいいか?オーガはどうして多種族軍に参加しないんだ?」

「あぁ、元々オーガ達は、他と関わらない様に暮らしてる。まぁ閉鎖的な種族だな。だから、シュミール人だろうが、他の種族だろうが関係ない。昔にこっちから、協力のお願いをした事もあるらしいが、無理だったみたいだな。ただ、手を出せば、最強種の一角だから、恐ろしい事になるのがシュミール人の奴らは分かってる。奴らもうかつに手は出さないし、俺らも怒らしたらどうなるか分からないので、関わらない様にしている。」

「オーガと聞くと、でかくて喧嘩っ早い様な・・・」

「いや、俺もあった事ねぇけど、穏やかで話しも聞いてくれるらしいぞ。どこでブチ切れるか分かんねぇけど。」

幸樹こうきが差し出した干し肉と乾燥したパンを受け取る。ちなみに道中はバレない様、車には消音の魔法を使い、野営でも火は使わない。ひっそりと隠れて移動する。


次の日、オーガの森付近を抜け、敵拠点のマーフ近くを避け、リンデンの国境付近に向かう道中の森付近で遭遇した。


武装をしたシュミール人の一団だった。

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