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父と息子の異世界漂流  作者: 佐藤 学
22/103

第22話 村での探索は終了した

今回の探索で、二、三日かかったが、一通りの物資を車に詰め込めた。洋介ようすけ達、は2tトラックとジープに乗ってきており、こちらは、乗ってきた軽トラと宅配サービスに使われていた1.5tのトラックを村で確保していた。物資は、食物、衣服、医療品、燃料など多岐にわたる。アリーサは、その他、医療に関する本を希望しており、とりあえず詰めるだけ乗せた。幸樹こうき希望の楽器だが、香織かおりちゃん宅でギター、ベースを見つけている。香織かおりちゃんは、高校時代にバンドを組んでいた。その頃から、耳にピアスがどんどん増えてきて、近所の奥様方が噂していたのを聞いていたから知っていた。

楽器の交換部品も香織かおりちゃん宅にたくさんあり、ホクホク顔の幸樹こうきに疑問に思った事を聞く。

「なんでこんなに色んな物資が残っているんだ?あいつらは持っていかないのか?」

「あー・・・あいつらにとって、日本人の文化は奴隷の文化って認識でな、現代人と原始人ぐらいの感覚で日本人を下に見てんだろ。だから、不浄の物って言われて、やつらはほとんど手にしない。移動に生物いきもの使ってる、あいつらの方が原始人なのにな!」

話しを聞いていた洋介ようすけが「だな!」と幸樹こうきに賛同している。とわが、その話しに補足する。

「車は私達日本人を載せ、必要なくなったら溶かして武器にしてるから、何台かは徴収しているわ。」

なるほど、事情は分かった。


洋介ようすけと、とわは「それじゃ、このまま軍の方に戻る。」と車で向かっていった。

「それじゃ、俺らもアリーサの所に戻るか。」

お互い、車に乗ってアリーサの家に戻った。


家につくと、アリーサが出迎えてくれた。

「お帰り、森抜けられたね。」

「ああ、お前が作ってくれた道具も無事、動いてくれた。」

アリーサの作った道具を使用すると、移動時、森が避けてくれた。アリーサが魔法を使うみたいに。只、この道具は一回使用したら、また、アリーサが魔法の補充をしないといけないらしい。

「そう、良かった。それより、時間かかったわね。」

「おう!本もごっそり持ってきたぞ。」

「ありがと、さっそく確認したいけれど、その前に香織かおりが気づいたから、顔見に行かない?」

良かった、目を覚まして。良かったな、健一けんいち君。お菓子も確保できたし、手土産を持って、香織かおりちゃんの見舞いに行こう。


香織かおりちゃんは、ベッドで横になっていた。目を覚まし、隣に座っている健一けんいち君と話しをしている。顔色も以前に比べ、良くなっている。左腕は残念ながら、肘の上までで、その下は無くなっていた。健一けんいち君がこちらに気づき、頭を下げる。

「すみません!わたるのお父さん、一緒に行けなくて。」

香織かおりちゃんもベッドから体を起こしている。

「ああ、香織かおりちゃん、無理しないで。」

公彦きみひこおじさん・・・ありがとう。それと、アリーサさんから色々と聞いていて・・・」

多分、香織かおりちゃんは自分の事、村の事、色々な感情が混ぜ合わせって、複雑な顔をしている。それを心配そうに見守る健一けんいち君。二人の頭に手を乗せ、撫でる。子供扱いする歳ではないのは分かっているが、許して欲しい。三人で泣いた。

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