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⑼『復権の作業』
⑼『復権の作業』
㈠
自己の人生のための、復権の次ぐ復権。復権は必要だった、しかし、何とも執筆の心地よいことか。我々はやはり、文学に夢を見過ぎたのだろうか、文学は、文学以上でも文学以下でもない。詰まる所、文学はやはり、文学である。
㈡
この、簡易な文章を書くという、復権の作業は非常に人生に有効なようである、少なくとも俺にとっては、の話ではあるが、しかし本当に、この有効は、神の領域を突破し、宇宙をも凌駕する方法論だと、今更だが、気付いている訳である。
㈢
訳の分からないものも、有っていいよ、そうなんだ、有っていいのである。その人が書き得たもの、としての復権の作業の中で生じた小説、俺はそれを、荘厳な感じで受け取っているのである。復権の作業も、何かを生じさせる一因になったならば。




