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⒅『復権の作業』

⒅『復権の作業』



何かの復権、という訳ではない。単なる、堅実なる復権であって、それは、述べて来たように、自己の自由に小説を書くということへの、復権なのである。自己は自己だ、俺は俺だ、復権の作業、俺はどこまでも、作業しているのである。



この、何ものにも変えられない、小説を書く、という作業は、自己にとって崇高なものである。崇高過ぎて、言葉に出来ない程である。そしてまた、いわゆる、俗説で言うところの、復権は、俺には小説的に見えてしまうのであるから。



どこまで行っても、言葉は言葉、言の葉の言の葉、それ以外の何ものでもないじゃないか、という文句と共に、まさに、即ち、我々の我々は、世界へと羽ばたいて、異世界へと飛び込む間もなく、世界へとダイブするのである。

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