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⒄『復権の作業』

⒄『復権の作業』



自己の復権の作業は、実に膠着することなく、滑らかに、速やかに、進んでいることは確かではある。問題は、さほど、複雑ではないのかもしれない。物事を厳選すること、であるからして、終わりの終わりが、始まりであるように。



複雑怪奇なものを、とっぱらってしまって、新しい原初を引っ張って来ることから、気楽な小説を始めようとしたこの、復権の作業も、一に道理、二に道理、三に道理、という訳にはいかないようだ。自然とぃう、複雑を前にして。



ロックの所謂、叫びのようなものも、近頃では痛切に脳に響くのである。馴染むことと、馴染まないこと、俺はどこまで行っても、不可能性を可能性に変えることだけは、やってきたつもりだ。この、つもりだ、という言葉を忘れてくれるな。復権の作業のことである。

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