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⒂『復権の作業』

⒂『復権の作業』



自己は一体に、何者であるか、という一種の平凡かつ難解な問い対して、回答は凡そ簡単に得られるものではない。しかし、今の俺は、こういう難問を思考したい訳ではないのだ。それこそ、自由気侭に生きていたいのだから。



だから、復権の作業は、事細かく進めなければならないということすら、簡単に進めたいのである。であるからして、俺は復権をも顧みない状況下にあると言っていいだろう。まさしく、自由に、羽ばたいているという訳である。



考え過ぎるこの性格も、確かに小説執筆には適していたのだ。そうではあるが、小説執筆に適していることと、小説執筆に適していたいこと、というのは、また意味が異なってくるのである。即ち、俺は、復権の作業を、進めるのである。

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