『復権の作業』

⑾『復権の作業』

⑾『復権の作業』

㈠

まさに、言うところの、俺が俺だという確証のもとに、執筆していたのではあるが、俺は少し、ずれた意識の中からでも小説を書けるくらいの、状態には移行している。それも、何もかもが、復権の作業によってであることは、明白なのだ。

㈡

俺は、少しでも、本質が甘く運ぶように、復権の作業を、進めているという訳なんだ。気楽にね、そう、まさしく、即ち、気楽に、である。この、気楽に、という言葉を忘れてくれるな。俺は、もう一度、天に向かって言う、気楽に、気楽に。

㈢

そう、物事の動きは、気楽に動いていたのである。そのことは、もうこの小説の中でも、述べて来たところであるが、もう一度、確認を取るかの如く、ここに、そのことを示唆しておく。復権の作業は、気楽に、であるということだ。