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超短編集(笑)

「裸の王様」薬

作者: M
掲載日:2020/10/21

 妙愛博士は発明家だ。


 今日は、隣のおばさんとこの甥っ子が研究室に遊びに来ていた。

 甥っ子は、小さい頃から博士の研究室に出入りしており、もうすぐ二十歳になろうと言うのに、まだフラフラ遊んでいる。


「博士、この薬なに?」


 茶色の小瓶に、錠剤が数錠入っていた。


「それは『裸の王様薬』だ。」

「何それ!」


 甥っ子は、目を輝かせる。


「おとぎ話の裸の王様からヒントを得た薬でな、大脳新皮質と瞳孔に影響することで……」

「御託は良いから、効果は?」


 博士は少し躊躇して答えた。


「服が透けて見える。」

「マジか!」


 甥っ子は、博士から飲み方の説明をきちんと受けると「また遊びにくるね」と言って走って行った。


「まあ、悪いことには使えないから大丈夫だろ。」


 博士は後ろ姿を見送った。



 甥っ子は、友達の家に突撃していた。


「めっちゃエロい薬、手に入れた。」 

「何それ。」


 友達も興味津々だ。


「裸の王様薬。二時間、服が透けて見える薬。」

「きたこれーー!」


 二人でテンションが上がる。


「ただし、副作用でバカになるって。」

「バカには見えない服じゃなくて、服が見えないバカにする薬か。」


 友達は一人納得して笑っている。


「飲む?」

「飲む!」


 友達は、一錠を飲んだ。


「お、おおお!」


 友達が目を丸くし、甥っ子を指差し叫ぶ。


「おい!何でお前裸なんだよ!」


 本当に服が透けて見えているようだ。


「ってか、俺も裸じゃんか!」


 友達は、クローゼットを開く。


「俺の服がねぇ!何てことだ。外歩けねぇよ。」


 そう言って布団に潜り込んだ。


「お前も服着ろよ。」


 薬を飲んだ事も分からなくなるほどのバカになるようだ。

 甥っ子は薬を飲むのをやめた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 奇妙な薬をテーマにしたドタバタが、初期の「ドラえもん」を思わせて面白いです。 また、友達を毒見係にする甥っ子の策士っぷりが良いですね。 [一言] 服を視認出来なくなるだけでなく、薬を飲んだ…
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