「裸の王様」薬
妙愛博士は発明家だ。
今日は、隣のおばさんとこの甥っ子が研究室に遊びに来ていた。
甥っ子は、小さい頃から博士の研究室に出入りしており、もうすぐ二十歳になろうと言うのに、まだフラフラ遊んでいる。
「博士、この薬なに?」
茶色の小瓶に、錠剤が数錠入っていた。
「それは『裸の王様薬』だ。」
「何それ!」
甥っ子は、目を輝かせる。
「おとぎ話の裸の王様からヒントを得た薬でな、大脳新皮質と瞳孔に影響することで……」
「御託は良いから、効果は?」
博士は少し躊躇して答えた。
「服が透けて見える。」
「マジか!」
甥っ子は、博士から飲み方の説明をきちんと受けると「また遊びにくるね」と言って走って行った。
「まあ、悪いことには使えないから大丈夫だろ。」
博士は後ろ姿を見送った。
甥っ子は、友達の家に突撃していた。
「めっちゃエロい薬、手に入れた。」
「何それ。」
友達も興味津々だ。
「裸の王様薬。二時間、服が透けて見える薬。」
「きたこれーー!」
二人でテンションが上がる。
「ただし、副作用でバカになるって。」
「バカには見えない服じゃなくて、服が見えないバカにする薬か。」
友達は一人納得して笑っている。
「飲む?」
「飲む!」
友達は、一錠を飲んだ。
「お、おおお!」
友達が目を丸くし、甥っ子を指差し叫ぶ。
「おい!何でお前裸なんだよ!」
本当に服が透けて見えているようだ。
「ってか、俺も裸じゃんか!」
友達は、クローゼットを開く。
「俺の服がねぇ!何てことだ。外歩けねぇよ。」
そう言って布団に潜り込んだ。
「お前も服着ろよ。」
薬を飲んだ事も分からなくなるほどのバカになるようだ。
甥っ子は薬を飲むのをやめた。




