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chronos  作者: 天月 琉架
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第二十四話



触れられた箇所が熱く疼く。

服越しに感じる体温がもどかしかった。


激しい飢餓感に苛まれるように、今すぐ素肌を感じたい。

肌を(へだ)たる布1枚が、酷く邪魔なものに思える。


口付けだけじゃ全然足りない。

すれ違った期間を埋め尽くすように……抱き合いたかった。


「俺の部屋……来るか?」


誘うように甘く耳元で囁かれる。

その低い声だけで、ぞくっと身体が震えた。

本当は場所なんて関係なくすぐにでもして欲しかったけれど…


きっと、何度も求めてしまうだろうから――――


「うん…僕も―――蓮が、欲しい」


斗真は蓮の首筋に顔を埋めて、恥ずかしそうに呟く。

その言葉を聞いた蓮は、激しい衝動に堪えるように抱きしめた腕に力を込めた。



***********


(蓮が――― …好き)


かつてないほど求め続け、本能に従うまま抱き合った。


強制的な意識の限界が訪れるまで――― …斗真は蓮をねだっていた。


空も白み、長い夜が終えようとしていたその時。

視界が薄れるギリギリのところでそっと零した。


「れ…んは……ぼ…くのもの、なんだから…ね… ―――」


忘れちゃだめだよ―――と啼かされ続けて掠れた声で斗真は満足そうに囁き、そのまま眠りについたのだった―――

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