第二十四話
触れられた箇所が熱く疼く。
服越しに感じる体温がもどかしかった。
激しい飢餓感に苛まれるように、今すぐ素肌を感じたい。
肌を隔たる布1枚が、酷く邪魔なものに思える。
口付けだけじゃ全然足りない。
すれ違った期間を埋め尽くすように……抱き合いたかった。
「俺の部屋……来るか?」
誘うように甘く耳元で囁かれる。
その低い声だけで、ぞくっと身体が震えた。
本当は場所なんて関係なくすぐにでもして欲しかったけれど…
きっと、何度も求めてしまうだろうから――――
「うん…僕も―――蓮が、欲しい」
斗真は蓮の首筋に顔を埋めて、恥ずかしそうに呟く。
その言葉を聞いた蓮は、激しい衝動に堪えるように抱きしめた腕に力を込めた。
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(蓮が――― …好き)
かつてないほど求め続け、本能に従うまま抱き合った。
強制的な意識の限界が訪れるまで――― …斗真は蓮をねだっていた。
空も白み、長い夜が終えようとしていたその時。
視界が薄れるギリギリのところでそっと零した。
「れ…んは……ぼ…くのもの、なんだから…ね… ―――」
忘れちゃだめだよ―――と啼かされ続けて掠れた声で斗真は満足そうに囁き、そのまま眠りについたのだった―――