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第十九話
肌を伝う手の感触が、熱くてもどかしくて、愛おしい。
全身を見られてすべてを暴かれる恥ずかしさ。
身体は彼を求めてやまないのに、羞恥心がそれを阻む。
もっと、もっと、彼を感じたい。
不安な気持ちも、どうにもならない恋心も、全部を飲み込んで―――
***
「れ、ん…すき…」
斗真はそれだけ言うと、パタリと意識を失った。
「斗真………!」
自分に身を委ねて気を失う斗真を強く抱きしめて、抑えきれない愛おしさが蓮を蝕む。
汗に濡れた髪を優しく掬うと、額に軽く口付ける。
「お前が大事過ぎて……どうにかなりそうだ……」
確かに手に入れたはずなのに…押し寄せる不安と焦燥感を誤魔化したくて、もう一度キスをした。