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壺職人の女②
ベチャ!
パリン!
「うーむ」
「どうしたんだい、デストロ」
「おお、師匠、どうやら余にはあまり壺作りは向いておらんようです」
「そのようだね」
「部下にも『壺作りなんてやめた方がいい』と言うものもおります」
「そうかい」
「あまり通うと、ご迷惑でしょうか」
「アンタ、壺作りは好きかい」
「ヌハハハハ、好きです」
「そうかい、なら続けるといい。アタシも『女が壺作りなんて』と言われたけどね、続けてればそれなりの物ができるもんさ」
「ほう、そんな事を言われたのですか」
「好きなことをやるのに、人に言われて決めちゃあいけないね、やってみるしかないね、だって自分の好きなことは、人には決められないからね」
「確かにそうですな」
「そりゃあ、好きなことが向いてることなら幸せだろうけどね、好きな事があるだけでも、その次くらいに幸せだろうさ」
「きっと、そうでしょうな」
「でも、今日はそろそろ向いてる事をやる時間だよ、デストロ。あっちの失敗作を割っておくれ」
「ヌハハハハ、師匠にはかないませんな」