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壺職人の女
「憧れの壺職人の所に来たである、弟子入りしたいである。でも余が関わると大事な壺を割ってしまうので、たぶんダメであるな」
「おっ、何だいアンタ? アタシは弟子は取ってないんだ、帰りな帰りな」
「おお、綺麗な女の人である」
「へっ、顔に似合わず口が達者だね、弟子入りはダメだけど、せっかくだからこれをあげるよ、失敗作だけどね、だから人に見せんじゃないよ」
「これが失敗作? 見事である⋯⋯あっ」
パリン!
「またやってしまったである」
「どういうことだい?」
「余は両手で物を持つと、壊してしまうのである」
「なんだって! じゃあ次はこれを」
パリン!
「お次はこれを」
パリン!
「アンタ失敗作壊すのに便利だね、弟子にしてあげるよ、また来な」
「うーむ、これは弟子なのであろうか」




