運命
「デストロ様のお師匠様は、どうやら船に乗ったようです」
「むむむ⋯⋯どの国へと向かった船だ?」
部下に壺職人の捜索を命じて数日後、報告があった。
その船はこことは違う国に向かう船だ。
部下の話を聞くと、その国では以前大臣が謀反を起こし、それを王子が討伐した、という。
「では師匠は自分の国に戻ったということか」
国に戻る前にデストロの元を訪ね、剣を得た。
そしてエナによれば、師匠は死んでしまうという。
師匠が置いていった壺を見る。
つまりこれは形見分け、師匠は自分の国で何かするために、そして死ぬ覚悟で旅立った、と言うことだ。
デストロが考えていると、エナがやってきた。
「デストロ様⋯⋯ごめんなさい、私のせいで心配させちゃったみたいで⋯⋯」
「エナのせいではない、それにエナには感謝している」
「えっ?」
「余はこれから、師匠を救いに行く」
デストロが言うと、エナは首を振った。
「無理だよ、だって、私が余命を見て、その通りにならなかった人いないもん、運命なんだよ」
「ヌハハハ、そうなのかもしれないな」
「だったら⋯⋯」
「でもな、エナ」
「うん?」
「余は破壊神。そんな運命など壊してみせよう」