表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/21

余命の見える少女

 生命の魔神ラフィーネがデストロの元へとやってきた。


「デストロ様ご相談があります、娘のエナのことなのですが」

「ほう、なんであるか?」

「実は⋯⋯」


 ラフィーネの相談を聞いたデストロは、エナを連れてまた翌日来るように言った。



 翌日。


「こんにちはデストロ様!」

「お、エナ元気だな!」

「うん、私はいつも元気!」

「ところでエナ、お母さんから聞いたのだが、エナは人間の『余命』が見えるらしいではないか」

「そうなの!」

「それを人におしえたいらしいな?」

「うん、いつまで生きられるかわかったほうが、それまで頑張ろう! って思えるでしょ?」

「なるほどなぁ」

「でも、お母さんが『そんなことしちゃダメ」って言うの。なんでだろ?」

「お母さんは理由は言ったであるか?」

「ううん、『そんなことしちゃダメ』しか言わないよ」

「そうかそうか。ところでエナ、明日も来てお話ししてくれるか? 明日来てくれたら美味しいお菓子を準備しておくである」

「え? ホント!? うん、来る来る!」


 デストロとエナは明日も会う約束をした。


 翌日。


「パクパク、美味しい! デストロ様お菓子ありがとう!」

「喜んで貰えてよかったである。明日も来れるか? 明日は可愛いお人形をプレゼントしよう」

「本当に!? でもお菓子も食べたいなぁ」

「ヌハハハハ、わかった。お菓子も用意するである」

「ありがとうデストロ様!」


 さらに翌日。


「可愛いお人形!」

「ヌハハハハ、余が世話してる人形師の新作なのである」

「すごい!」

「さてエナ、明日も来れるか?」

「うん、明日は何を貰えるの?」

「ヌハハハハ、明日は今までで一番良いものをあげよう、その代わり何をあげるかは明日のお楽しみだ」

「えっ、本当に! わーい、すごいすごい!」





 さらに翌日。


「デストロ様、来ました!」

「おお、エナ。では今日はこれをあげよう」


 デストロは一輪の花をエナにプレゼントした。


「⋯⋯ありがとうございます」

「おや、あまり嬉しそうではないな。花は好きじゃなかったかな?」

「ううん、お花は大好きだよ、綺麗だし、でも⋯⋯」

「でも?」

「お菓子やお人形の方が好きかな、今までで一番いいものって言われたからすごく期待しちゃった」

「ヌハハハハ、そうか、これは失敗したな、人の一番なんて我が決めるものじゃなかったな」

「しょうがないよ、私が何が好きかなんて、私にしかわからないんだもん⋯⋯あっ」

「どうしたであるか?」

「そうか、だからお母さんはいつ死ぬか人に言っちゃダメって言ったのね、相手が喜ぶかどうか、わからないもんね」

「そうかも知れんなぁ。あとエナ、いろいろプレゼントを用意したが、前の日に一番楽しみだったのはいつだったであるか?」

「それは昨日の夜だよ! 一番いいものってなんだろう、って色々考えたから」

「そうか。もしかしたら何が起こるかわからないときに、良いことを色々想像するのが一番楽しいのかもしれないであるな、そしたらいつ死ぬかも知らないほうが、色々考えて楽しめるのかも知れぬであるな」

「そうかも! デストロ様ありがとう! いいこと教えて貰っちゃった! お礼に良いものプレゼントしてあげる!」

「ほう、何かな」

「もちろんナイショだよ! その方がデストロ様も楽しみにできるでしょ?」

「ヌハハハハ、これは一本取られたであるな」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
新作
是非こちらもご一読を!

魔将軍最弱の俺[タイプ:格闘 弱点:魔法]が、なぜか最強の魔王だと勘違いされている! ~接近戦特効の俺は、只今勇者を捜索中。さっさとぶっ飛ばして、美しい魔王様を嫁にします!~

その他の連載作品もよろしくお願いします!

『俺は何度でもお前を追放する』
コミカライズ開始は2022/5/4から! 画像クリックで配信先に飛べます!(白泉社マンガpark様、アプリ版もあります)
i642177

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
書籍化作品! 画像クリックでレーベル特設ページへ飛びます。
i443887 script?guid=on
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ