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疫病騒ぎ④

 疫病騒ぎから数ヶ月後。


「デストロ様、大変です、東の村が」

「また東の村か! 今度は何が起きたのだ!」

「はい、大豊作です」

「なんと。今度は吉報か」

「はい。どうやらポイゾナ様が作製した『害虫だけを殺す毒』のお陰で、作物が大量に取れているとか」

「おお、すごいな。少し様子を見に行こう」


 東の村。


「あ、デストロ様」

「おお、ポイゾナ、聞いたぞ⋯⋯ん? お主体調が優れぬのか?」

「い、いえ、そんなことは」

「もしや、張り切って毒を作り過ぎて、体調をおかしくしたのではないか?」


 デストロがポイゾナを問い質していると、狩人が近付いて跪いた。


「申し訳ございません、デストロ様」

「なんだ、どうした」

「実は、その⋯⋯私は立場も弁えず、ポイゾナ様へ懸想いたしまして」

「なんと」

「その、彼女が体調を崩しているのは、その、お腹に子が⋯⋯」

「なんだと」

「卑しき身である私が、守り神に手を出すなど言語道断とお思いならば、如何なる罰も受ける所存です」

「そうか。知っての通り、余の両手に触れたものは何であろうが破壊される。お主はこの手に触れる覚悟はあるか」

「はい、いかようにも」

「ヌハハハハ、ならばよい。余の両手より恐ろしいものは無かろう、ならばその覚悟を持ってしっかりポイゾナと生まれてくる子を守るのだ」

「はい、命に代えましても」

「しかし、疫病騒ぎが起きた時はどうなるかと思ったが、これはめでたいな」

「そう言って頂ければ何よりです」

「ポイゾナよ」

「は、はい」

「どうやら、寂しい思いをせずに済みそうだな」

「これも、デストロ様が悪いことではなく、良いことを想像しろと言って下さったおかげかもしれません」

「いやいや、実際にそれを実践したお主の行いこそだ、そして何より、村人を大事に想うお主の心持ちが幸せを呼び寄せたのだ。これからもその心持ちを大事にするがよい」

「は、はい」



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