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政治・その他関連の駄文

台頭するデータ権威主義と、失墜するグローバルな民主主義

作者: 西田啓佑

長文ですがよろしくおねがいします

はじめに、この文章は引用や出典を明示することにこだわらず、持論の証明や論拠にこだわらない駄文や妄言の類である事を明記しておく。書いてある内容が事実かどうか等は、読者諸兄が勝手に調べてほしい。


本来ならツイッターで長文を垂れ流して終わりなのだが、今回もこちらの短編部門にエッセイ的な駄文として寄稿しておこうと思う。理由は単純で、あとで自分で読み直すためである。


さて、皆さんは、

フォーリン・アフェアーズ・リポートと言うものをご存知だろうか?

欧米の人文系学者が国際政治などに関するリポートを寄稿している雑誌である。


今回も、フォーリン・アフェアーズ・ジャパンさんのツイッターアカウントが、興味深いレポートを三つほど紹介してくれた。以下に列記する。


さようなら、国際主義のアメリカ

―― トランプ時代の歴史的ルーツ

エリオット・A・コーエン ジョンズ・ホプキンス大学教授(戦略研究)


人工知能とデジタル権威主義

―― 民主主義は生き残れるか

ニコラス・ライト インテリジェント・バイオロジー  コンサルタント(神経科学者)


デジタル世界に即した統治システムを

―― 社会・経済のデジタル化を恩恵とするには

クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者兼会長


いつもの如く購読していないので、詳しい内容はわからないが、その概要だけでも十分に興味深い。

最初のものは、アメリカが再び孤立主義に回帰しつつあるというものだ。

次のものは、ハイテク化の進む中国で、新たなイデオロギーとしてデジタル権威主義と呼べるものが台頭しつつ有る

最後のものは、世界市場のメイン商品が重工業から、知的財産に依拠するハイテク機器やサービスに移行しているというものだ。


包括的に語る前に、それぞれの事象について少し解説を入れておきたい。


最近のトランプ大統領による「歴史的?」外交傾向やその成果を、多くの日本人は彼の独特のパーソナリティの為せる業だと思っているかも知れないが、実際のところは違う。これは、ホプキンス教授のレポート概要にある世代交代を待つまでもなく、すでに内陸部と湾岸都市、ウォール街とそれ以外の富の非主流派という形で争われた政治闘争の結果と言えると思う。


そもそも、トランプ大統領の支持者に根強いアメリカ保守派層が多いことは周知の事実だし、それらの考え方が、グローバリズムとリベラリズムによる国際金融ビジネス集団の形成を目指すウォール街と対立しているのは周知の事実だ。トランプ大統領が登場する前に発生した「Occupy Wall Street」事件の段階で、アメリカ市民の大多数(富の非主流派)が孤立主義を指向する予兆は出ていた。

時の大統領はバラク・オバマだったのだ。Yes We Canの彼である。


日本人からすれば民主党でリベラルな彼がなぜ庶民から突き上げを食らうのだ?と、疑問に思うかも知れないが、そもそもアメリカにおいて庶民派とは、都市のリベラルではなく、内陸部では郷土心溢れる保守的な住人たちだし、湾岸部であるなら社会の外縁部に住まう白人ではない人々や所得や教育水準の低いストリートの住人の事である。


そもそも、リベラルな志向というのは、逼迫した人々や眼の前の生活に余裕のない人々には、持つことが不可能なものである。

日本でいえば、リベラルといえば国際的な出羽守や、庶民派を全面に押し出す社会主義や共産主義を掲げる人々の事と誤解されがちだが、アメリカでリベラルといえばタックス・ヘイブンを目指して頑張っている富裕層の事である。


そもそも、アメリカでは共産主義は違法化一歩手前まで追い詰められたことの有る裏切り者扱いされたイデオロギーである。よく考えて欲しい、少し前までソ連・中国の共産主義と殴り合っていたのである。戦中の日系人のように収容所送りに成ったり日系人部隊を編成されたりみたいなものである。


日本でも平和憲法が無かったら仮想敵国のシンパとみられる人々が収容所に送られただろう事を考えれば、GHQがアメリカ左派に主導された事によって設置された平和憲法が、如何に戦後日本の平和と自由に貢献していたかがよく分かる。民主主義の「み」の字も知らない大日本帝国の残骸が自主憲法を制定すべきだったとか、もはや妄言以下の虚言である。

閑話休題


まあ、そういうわけで、世界の警察をアメリカが自認している時代は、オバマ大統領の時代で終わったと見るべきだろう。民主党リベラル派と共和党タカ派の神仏習合で発生したネオコンとその後始末に奔走したオバマ大統領の功績と負債は、ティーパーティ運動とウォール街占拠運動の神仏習合によって消し飛んだというわけである。


特に面白いのは、ティーパーティ運動がメキシコ経由の不法移民の締め出しを求めているのに対して、ウォール街占拠運動においては反ユダヤ主義のプラカードが出ていたことである。どちらも、排外主義と呼べるものであり、プチブル手前の庶民は貧困層的な異民族にレイシャルハラスメントを行い、貧困層の庶民は富裕層的な異民族にレイシャルハラスメントを行っているという点である。


移民というか異民族というのは、どのような階層の人間にとっても、容易に魔女狩りの対象やインベイダーに仕立て上げやすいのだろう。世界から差別の消えない所以である。ちなみに、私は奴隷労働の撲滅と無能な経営者の合理的な退場を促す観点から、移民政策には反対である。グローバリズムは格差是正とベーシック・インカム導入を達成した後に、その余力で行えば良いことである。優先順位は決して高くない。

閑話休題


そういうわけで、民主党支持者にしろ共和党支持者にしろ、もはや外交に目を向けてアメリカの短期の国益追求を抑えてまで、世界の警察という役割を演ずる事は不可能に成っているのである。もはや、アメリカが自国の内政矛盾を戦争という手段にぶつけない事を感謝する時代に成ったのである。アメリカが自国の内政矛盾から目を逸しつつ世界の指導者的役割を演ずる時代は終わったのである。


そして、アメリカの民主主義の権威の失墜はそのまま、民主主義の失墜につながる。その辺りの話は私が以前に書いた短編エッセイ「相場とイデオロギー」でも触れているので、そちらも読んでもらいたい。


もしも、「民主主義は多数決で有能な指導者を選出して、利益を最大化する政治体制である」という程度の愚かしい教養しか持ち合わせていない人々による庶民革命がアメリカにおいて達成されたならば、この世界の民主主義はあっというまに崩壊するだろう。欧州がベネルクス三国のように道路舗装されるのは、待ったなしである。


さて、次の話として、皆さんは最近の中国における目覚ましいほどのデジタル化はご存知だろうか?

横断歩道の信号を無視しようものなら、国家のデータベースより人相照会を行い、自動音声が名指しで優しく指導してくれるのである。もちろん、重篤な交通違反であれば雨露をしのげる場所で座学を受けられるだろう。なんとも、至れり尽くせりのシステムである。


また、TikTokというモバイルアプリを使えば、だれでもyoutuberのマネをして世界に黒歴史を発表できる。これには伊集院光も絶賛である。馬鹿力で聞いてワロタ。流石はデジタル信号だけでは飽き足らず、河川も七色に染め上げる素敵センスを持つ超大国である。自己犠牲心溢れるアセスメントによるレアメタル発掘本当にありがとうございます。


もっと有名なところでは、中国でのキャッシュレス化だろう。これもまたデジタル化の為せる技である。この辺は、詐欺師の如きビッグデータ活用推進派の方々が解説してくださっているので、そちらを見ていただきたい。ちなみに、ガチャ塗れのソーシャルゲームって実はこのビッグデータ活用の為の実証実験機が発祥だって知ってましたか皆さん?あれって、ようは射幸心とマーケティング効果、データベース構築技術を調べるツールなんですよ。だから、賽銭箱としてとても優秀なんです。浮世絵に騙されてたらアカンですよ。


国民そのものをデータベース化する事は中国に先んじて韓国も行っているが、中国のそれは規模も勢いも段違いである。そして、それらを一党独裁の政治体制で行うことの高効率を指して「デジタル権威主義」と呼ぶのである。


私としては、それはデジタル化に限った話ではないので「データ権威主義」と呼ぶ事にしている。エビデンスとファクトとビッグデータを信奉するこのデータ権威主義はすでに韓国や日本にも浸透しているし、3.11の際には感情的に成った国民の多くを、そのデータと権威で慰撫して、一部で自殺者を出すほどの効果を挙げたのはまだまだ記憶に残っている話である。

国策で出した被害ぐらい国で賠償しろよと思うのだが、災害が起こった直後に、大きく報道されることなく、賠償関連の決議が与野党賛成で国会を通過したあたり、誠に美しい国ニッポンだし、脱原発に関しては与野党どこも信用できねぇなぁという話である。もちろん、エセ科学とか論外なんですけどね。令和バンザイ。美しく和合する上級国民様バンザイ。


というわけで、今後東洋ではますますデータ権威主義は加速するだろう。

というか、マイナンバーカード論争の時にわざわざ高木先生とかがカードに打刻するのはリンクコードにしてワンパス噛ませてマイナンバー管理するのがセキュリティ的にも運用的にも良いよって、わざわざ提言していたのに、それをガン無視してカードにマイナンバーを直接打刻するあたり、中国と同じような管理方法取りたいんだろうなぁと思う。

その結果、中国ほど個人情報管理ガバガバじゃない日本では、個人番号は個人情報だからという理由で、企業が保持するのが困難になり、商用利用が困難になってデジタル化が阻まれるという一幕があったりする。


もう、そのままデジタル権威主義も諦めて、データ権威主義から非効率ながらも自由で安心な民主主義に舵を切ってくれないかな?とおもうけど、まあ不可能でしょう。きっと、中国よりもグダグダな権威主義国家に成るんじゃないかな?ニッポン。


話は少し変わるけど、超管理社会が実現すれば、人々の創造性が去勢され、社会の停滞が始まるのでは?と思う方も居ると思う。しかし、そんな停滞に対するメシアやカウンターとして期待されているのが「人工知能」で御座います。「人工頭毛」じゃないよ!


ようは、人工頭脳やそれに準じるスクリプトワームみたいなもので機械学習効果を追求しつつ、ビッグデータを監視して計画経済を実現しようというわけである。ぶっちゃけ、突然変異と昆虫的無限試行で発展してきた人類史に喧嘩売ってんの?と思うが、これで成功すると思うんだから特異点もビックリである。まあ、やりたければ他所でやってくれというのが本音である。けど、近年のソシャゲ熱を見るとやっちまうんだろうなぁ。と、思わなくもない。文明ガチャはともかく、文化ガチャで爆死しないと良いな。


アニオタにわかりやすく言うと、「PSYCHO-PASS サイコパス」みたいな人口管理社会を横着せずに純粋な人工知能で作っちまおうって訳だ。政治家の汚職が大嫌いで、即決即断の政治?が大好きな、エセ民主主義者にはお似合いのシステムだと思うんだ俺。一日も早く、社会不適合者を無慈悲にデコンポーザーで処理する社会が俺だけが居ない街で実現する事をお祈り申し上げます。それがアウシュビッツ収容所での虐殺とどんな差異があるのか、頭毛が寂しくなっている私には全く理解できませんが。


ちなみに、あのアニメはチョイエログロアニメとしては秀逸だったね。思想的にはゴミクズ以下の存在だったけど。


さて、世の中の賢い人達が、次の時代は技術によって生み出されたデジタル神による新世界だ!と、妄想している頃、当然ながら世界市場もそれにあわせて変化している。

相変わらず、ビッグ・ディールが自動車や軍需産業なのは確かなのですが、それを追い越す勢いでネットワークインフラや、知的財産のウェイトが大きくなっているのはご存知だろうか?


中国による移動体通信基地の建設事業における売り上げは、すでに無視できないほど高い。今後もそのような傾向は加速し、それにともなって各国の法制度や国際貿易秩序なども変更を余儀なくされるだろう。


直近の具体例で言うのなら、第5世代移動通信システム、いわゆる5Gからのファーウェイ締め出し騒動があるだろう。アレは要するに、通信インフラを握られることで、通信の秘密を司る権利を中国に奪われると考えた米国が国防上の理由から発生させた騒動である。


ちなみに、世の中にはエシュロンなるSIGINTが昔から有り、米国が警告を発した内容はスノーデン先生いわくすでに米国とその衛星国が実施していたのである。ちなみに、日本にもエシュロンの拠点と設備があるのは言わずもがなである。


今後は、このような東洋的なデータ権威主義と欧米的なゲリマンダー権威主義のぶつかり合いの時代に成るのだろうと、私は思う。


最後に、私から言いたいことは、

「民主主義を、効率の良い優れた指導者を選ぶ政治体制」と思っている連中や「選挙を、個人の利益を増大し最大多数の幸福を追求する手段」だと勘違いしている連中が、地獄の業火に投げ込まれたら嬉しいなぁという事である。


忘れないで欲しい。

「プレイ環境を作成するのに最適な手段」と「楽しい幸福なプレイを経験する手段」は全く別物であるということを。政治においては前者を選挙と呼び、後者は個人の人生設計と呼ぶ。これは、まったく次元の違うものである。

アメリカ在住のバカが言った「職がないなら、自分を責めろ」というのは当然の個人の範疇による話であるが、その「自分を責めたり、職を探す間の生命維持と職探しのインフラを整える」のは民族自決に根ざした国民国家の義務である。


あたりまえの民主主義を、世界中の人々が思い出すその日を、私は気長に待ち続けようと思う

この、薄暗い穴蔵の中で



最後までお読みいただき、ありがとうございました


訂正、前作で言及していなかった話まで、言及したと書いてしまったので、その点を修正しておきました

中国による移動体通信基地の建設事業における売り上げ の辺り

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