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8話:悪魔の残滓集め2

《前回までのあらすじ》


 悪魔が言うには、力の大部分が飛び散ったので探すのを手伝って欲しい。力が集まったら神隠しにあった君のお姉さんを取り戻せるかもしれないとの事で、ユウキは悪魔の飛び散った力を集める為に、周囲を探すことした。なんでも私の直感で向かう先には飛び散った力がある可能性が高いと悪魔が言う。

 とりあえず、昨日肝試しでこの悪魔と逢ったので、現場百編という言葉もあった様な気がしたので、学校に向かうのであったが、悪魔の飛び散った力は※以下略して『悪魔の残滓』はどんどんと勝手に引き合い大きくなるという特性があるらしく、音楽室ではかなりの力の集合体になっていた。


 悪魔が華麗な活躍を見せてはくれなかったが、友人の紅葉ちゃんが華麗にその場を制してしまった。

 PS:紅葉ちゃんって誰とか言わない二話から出てるから陰薄かったけど

 紅葉ちゃんが、ニコニコ笑いながらこちらを見ている。。。怖い助けて貰っておいてあれだけど、ちょっと昨日までの紅葉ちゃんと雰囲気が全然違う様に思えてくる。目が笑ってないんだもん

 「あ ありがとう、助けてくれて」

かろうじてユウキは紅葉に向けて声を出す事が出来た。半分涙目であったけど

 「うんうん、そんなに気にしなくて良いよ、お陰で大物を吸収出来たし」

急襲?いやさっきの行動からして吸収の方なのかな

 「吸収ってどういう事?」


 紅葉ちゃんがこちらに近づいてくる。なんとなく後ろに後ずさってしまう。三歩ほど後ずさった辺りで

 「どうしたのユウキちゃん、なんで私から離れるのかな?」

と不思議そうに紅葉が問い掛けてくる。そりゃあ私だって命の危機を救ってくれた友人から逃げたくは無いし、そんな失礼な事はしたくは無かったけど、頭の中のアラームが鳴りぱっなしなんだからしょうが無い。この音楽室だってヤバそうだから入ってみたのだが、そんな比じゃないんだから。


 「ユウキちゃん捕まえた」

 突然後ろから紅葉ちゃんに抱きしめられてしまった。じっと向かいあって居たはずなのに、アラームは壊れてしまうくらい頭の中で鳴り響き警告を最大級に鳴らしている。

 「私の大好きなユウキちゃんに悪い虫が付いてるから取り除いてあげるよ」

 虫って多分さっきから極力存在感を消していた悪魔の事だよね。この悪魔勝ち目が無いから黙ってやり過ごそうとしていたな。

 

 「待って紅葉ちゃん、ちょっとで良いから話を」

 言うより早くに紅葉ちゃんは口を大きく開けるとさっきと同様に大きく口を開けようとする。

 「ごめん、紅葉ちゃん」

 密着して居たので、肘を脇腹に入れようとするが難なく止められてしまったが、口を閉じた一瞬を見逃さずにあの悪魔はその場から飛び出すように逃げていた。


 「あーあー逃げられちゃった」

 紅葉は追うような素振りすらみせなかったし、私の事をあっさりと解放した。

 「でも碌なやつじゃないでしょう?ユウキちゃんを見捨ててあっさりと逃げちゃうんだから」

 「そうかも知れないけど、私のお姉さんを取り戻せるかもしれないんだから邪魔しないで」

 そもそもなぜ紅葉は悪魔の残滓なんか集めて?いや吸収なんかしているのだろう?実は私が知らなかったけど紅葉は陰陽師やゴーストバスター的な女の子だったのだろうか。もしかして主役はこの子だったの


 「ユウキはお姉さんって餌に連れられて悪魔に操られてるんだよ」

 「そんな事はそんな事は・・・ない」

 「ユウキ、人は言って欲しい事やこうあって欲しい、こうなって欲しいと望む情報を無意識に集めて、逆の情報は見て見ぬ振りが出来てしまうんだよ」

 紅葉ちゃんがなんか悟ったような事を言ってる。なにがあったんだろう。


 「じゃあ紅葉はなんで悪魔の残滓なんか集めてるの?」

 向こうが呼び捨てにしてるので吊られてしまう。ユウキはできるだけ穏やかな口調で問いかけてみる。

 「話せば長くなるんだけどね、聞いてくれる?」

 ユウキは無言で頷く



 《紅葉視点》



 紅葉は小さい頃からずっと勉強が得意だったという訳では無かったけど、知識を得る事や本を読むのがとても好きな大人しめの女の子だった。学校の成績もその性格のせいなのか生来の要領の良さで、ほぼ満点近くを簡単に取る事が出来てしまった。

 自分達の通う中学では学期毎の中間と期末試験の結果が張り出される。300名を超える生徒全ての成績が張り出される訳では無いが上位100名まで張り出される。ちなみにデカデカと点数付きで発表されるのは10名までで、残りはA3の紙で下に小さく張り出せられるので、勉学をアピールしたければ10位以内に入るしかない。一般の生徒が気にするのは精々この10位までと自分の順位ぐらいだろう。


 私はずっと2位に居続けた。いや正確には1位を逃し続けてしまった。ずっと1位を取る葉隠という生徒に興味を持つのにそれほど時間はかからなかった。

 そう初めはなんとなく気になる程度だったのだが、いつしか気がつけばあいつ(葉隠)のことばかり考えるようになってしまっていたの。


 まあ委員会とかで一緒に活動する事が多かったのもあったんだけど、葉隠君って周りの男の子と違ってすごく気が利くんだよ。多分同じクラスだと一休君ぐらいかな同じ様に周りに気を向けているのは。

 でもね、でもね葉隠君が凄い所はね



《ユウキ視点に戻ります》



 「・・・ごめん、話の腰を折って、つまりどうして悪魔の残滓を集めてるの?」

 ユウキはとうとう我慢出来ずにつっこんでしまった。


 「あ、ごめんごめん、簡潔に言うとね、この力をユウキちゃんは悪魔の残滓って言うこの力を使ってね、私は私の恋を手に入れるのだってこんなに大好きなのに葉隠君はユウキちゃんあなたを好きだって言うんだよ。」


 「えっなにそれ初耳なんだけど」嘘でしょとユウキは呟く

 「去年の冬に私が告白したらあいつは(葉隠)が好きなユウキが居るって答えたんだよ最初は教えてくれなかったけど、私がしつこく聞いたらしぶしぶ教えてくれたんだけどね」

 なんとなく理解できた気がした。だからこの子は私がどんな女か知る為に私に対して世話を焼いたのか

 「だから私は葉隠君が好きなあなたを」

 嫉妬して憎んだのかな、あら探しでもしようとして近づいたのかな、なんだか哀しい



 「私もあなた(ユウキ)の事を好きになれたらと葉隠君に近づけると思ったの」



契約した悪魔が残念な感じだった。。。

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