表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/30

7話:悪魔の残滓集め1

昨日は酷い夢を見たなあ

なにしろ悪魔と出会って、

裸体を見られてしまったのだから


こんな変な夢を見るなんて

よっぽど疲れているんだろうな


そういえば紅葉ちゃん達は

どうなっただろうか、

スマホでちょっと連絡を

入れてみようかなフフフ

あの二人上手くいったかなー


「やだなぁ夢じゃないですよユウキ先輩♡」


「うわああああああああああああああ」


ユウキはまるで背中にGでも

入ったかの様に飛び退いた。

勢い余って壁に頭を強くぶつけてしまう。


「朝から人の心を除くんじゃ無いぃぃぃ」

近くにあった枕を投げつけた。

見事に顔面にヒットしたが

悪魔は気にもしない。


「ユウキ先輩現実を受け入れましょう」

青ざめるようなことを

言ってくる自称後輩キャラ


「ゲンジツをウケイレル」

出来ることなら二度寝したいけど


「そうそう片言になっていますよ」

「お姉さんに会いたいでしょ」

悪魔が囁いてくる


「うん凄く会いたい」

正直な気持ちだ、これが無ければ

こいつと一緒に居ない

「じゃあどうすればいいのかな」

言い回しが気持ち悪い


「あなたの残滓を集める」

頭の中で昨日だした結論を再確認する

「そうそう良く覚えてましたね」


良い子良い子と頭を撫でようとする

手を払いのける


どうやらこの町にはこの悪魔の残滓、

もしくは力の大部分が

あっちこっちに散らばっているので

それの回収をするらしい


私にはそれを探す力が

なぜかあるらしいのだ。


なぜそんなものがあるか悪魔にも

わからないらしいけど。


「悪魔さんの姿って私以外にも見れるの」

正直端から見たら、肝試しで

付き合い始めた(バ)カップルに見えてしまう

かも知れないのだ。

「ああ大丈夫だよ、正直まだ実体を

保つのはきついんだ。

この部屋に居ると調子がいいから

ずっと実体化して居られるけど、

外ではそうだねうっすい

幽霊みたいになるから大丈夫大丈夫」


うっすい幽霊って


そういえば若葉ちゃんから昨日の首尾は

上々だった的な連絡が入ってたから


とりあえずスタンプでやったね!と

返しておいたよ。


向こうは意中の彼とデートにこぎ着けて

服装どうしたら良いか一緒に

見に行こうよと連絡がどんどん入ってくる


ええよ、ええよ


オッケー


と返事を送っておく、行けるかは

この悪魔次第なんだけどね


ユウキはスマホから目を離して

「悪魔さんこれからどうするの?」


悪魔に問いかけてみる、具体的な話しは

昨日ほとんどしていないのだから


全く方針は定まっていないのだ


悪魔の残滓を探す方法

何処を探すのか


「そうだね、この町にある所までは

わかってはいるんだけどね。

そこから先は絞り込めて居ないから

君が近づくと反応するかもしれないね」


なんで反応するのかはわからないけど、

近づくと私の身体がバイブ機能みたいに

振動でもするのかな。


「飛び散った残滓は少しづつ近くの

より大きな残滓に吸収されて行くから

そこまで数は多く無いはずだけど」


あっこれはもしかして


「量が少なければ影響は少ないけど

多くなるとそれがこの町にどんな影響を

与えるか正直わからないな」


うわぁー見事に予感的中


「まぁ多少集まった程度なら僕には

全く問題ないから安心していいですよ、

大船に乗ったつもりで」


・・・


「それじゃあ逝ってみようか」


不安しかないけど、もうしょうがないか

あっちなみに何処に行くかは悪魔なにも

口を出して来ないのは

私の直感に任せる方が良いとの判断らしい


とりあえず私は昨日この悪魔と出会った

学校に向かう事にした。


学校は夏休みだが、野球部やテニスなどの

運動系の部活が練習をして汗を流していた


夏休み期間中は複数の部活が曜日や

時間帯を決めて運動をしている。


教室では補習を受けている生徒もいるが

普段と比べたらやはり静かというか

夏の独特な雰囲気がある。


職員室に行き、昨日音楽室に忘れ物を

したので取りに来ましたと伝えたら

すんなり鍵を渡してくれた。


「ユウキ先輩は優等生なんだね、

先生に信用されてるし、それにモテる

みたいだね」


普通だと思うけどね


あっちなみに悪魔が私に取り憑いてる

状態だと思ってる事がダイレクトに伝わる

みたいなんだよね


「いやいや結構な割合で男子も女子も

君に対して一定以上の視線を送ってたよ」


私服で学校に来たから珍しく思われて

だけじゃないかな?

この後も色々と徘徊するのに

制服というのもアレなので私服だ。


「話して間に音楽室に着いたね」


中を見渡してみるが、いつも通りの音楽室

ピアノが一台置いてあって

机と椅子が置いてあって

時々ミュージカルを見るのに使う

プロジェクターを投影するスクリーンが

天井から吊るされている、いつもの


「うわぁぁぁぁあぁ」


私は思わず後ろに飛びのこうとして

すっ転んでお尻を強打したが、

そのまま後ろに引き下がった。


上を向いた時に沢山の視線と

本来なら合うはずの無い視線と

目が合ってしまったのだから


音楽室に貼ってある歴代の音楽家たちが

じっとこちらを見つめている。


ベートベンもモーツァルトまバッハもシューベルトもみんなこちらを注視しているのだ。


身体中から嫌な汗が大量に出てくる。

「あっあっ」

上手く声が出せない、呼吸すら


「これは金縛りってやつだね

怖いからとかそうゆうものでは、無いね

相手を射抜くように釘付けにするように

睨むことで自由を奪ってるんだろうね」


「釘付けだけに、釘で固定されたみたいに」


余裕乞いてないで、早く助けてよ

ここから先はあんたの仕事でしょ!!


「あーごめん無理だわ、自分も動けない」


えっ、、、嘘でしょ


「こんな時に嘘なんて言わないよ

いやー初手から大物引きすぎでしょ」


息が、、苦しい、視界が暗くなって来た


「もーユウキはしょうがないなー」


えっトモエ姉さん


ドアから普通にこの異常な空間に

軽い足取りで入って来た少女は


口を大きく開けたと思ったら

音楽室の肖像画から何かが

大量に飛び出してその少女の口に

一つ残さず入ってしまった。


「嘘でしょ」


「ホントだよ」

にっこり笑ってこちらを向いた


「なんで、なんで紅葉がなんで

こんな事してるの」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ