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3話:肝試し1

両親を交通事故で無くしてから3年が過ぎ、3歳年上の高校2年のトモエ姉と中学2年生のユウキは仲睦まじく暮らしていたが、神隠しに遭うという噂が流れていた時期の冬の公園でユウキがほんの少し目を離した瞬間にトモエは居なくなってしまった。

朝、仏壇の姉さんの写真に向かってユウキは話はじめた

「トモエ姉さん紅葉ちゃんっていう友達が出来たよ

「紅葉ちゃんはね、凄っく頭のいい子なんだけどものすごく優しくて良い子だよ

「あの公園に行こうとしたんだけど行く事が出来なくてね

「はは情けない話だけど同級生の目の前で吐いちゃってね

「情けないし、やっぱり恥ずかしいよね今思い出しても顔真っ赤になりそう

「いっぱい泣いちゃったし、ああああああああほんと恥ずかしいよねあれは

「うわー今日学校でどんな顔すれば良いのかわかんないよ

「わかってるわかってるよずる休みはしませんよ


 救いなのはもうじき夏休みで学校に行かなくて済むことだよね


 朝学校の踊り場で紅葉ちゃんとばったりと会ってしまった。お互い軽く挨拶をするけど、昨日の今日でどこか気恥ずかしい実際クラスではそんなに話す事も無いんだけどね

 先生はお決まりの夏休みだからと言ってハメを外し過ぎないように的な事を言っているが、真面目な学生の多くは夏休みは夏休みで部活か勉強もしくはその両方で、普段学校行ってるのとほとんど変わらなくなってしまうんだろうけど


 「ユウキさんユウキさん」

 クラスの女子にやたらと夏休みの遊びの予定で誘われた、これはモテ期というやつなのだろうか、まあどうせ夏は陸上競技の大きな大会もないので、暇な事は暇だし、ほとんど3年は引退してるようなものだしね。

 愉しい時間を過ごしているとこれがそんなに長くない事を自覚しつつも、仲良くなった紅葉ちゃんと過ごせる最後の夏を満喫しようと心に誓うユウキなのだった。


 紅葉も紅葉で後で聞いた話だが、あの満点製造機先輩こと、葉隠くんの事が、ずっと前から好きらしいのだ。満点製造機と言われるだけあってガチで毎回全教科満点を取るという。

 得体の知れない男子学生で噂では彼が満点でなかった時は答案用紙の答えが間違えていたとか、帰宅部らしいが運動も出来るとかは陸上部の後輩から聞いた。なぜ知っているのだろう??

他にも家が金持ちだとか、老婆の重い荷物を持ってあげたとかetc.etc


 紅葉ちゃんはそんな葉隠くんの事が、好きなんだとか。良いね良いね青春だねー、うーーんどうにかして上げたいんだけどな


 陸上部で比較的仲のよい常にスキンヘッドの一松くんこと一休さんに相談してみた。

 「つまり、紅葉ちゃんと葉隠をくっつけるにはどうしたらいいかってことか」

 紅葉ちゃんって目立たないけどぜってえそこらの読モのモデルよりかわいいのに、くそうらやましいぞちくしょう。とつぶやく一休を不思議そうに眺めているといると


 「読モ=ファッション雑誌に登場するモデルのうち大学生やOL、最近は雑誌によっては小学生から高校生までの一般読者として誌面に登場するモデルのことだよ」


 「いや読モは知っているんだけどね」

 「よしじゃあ何人か誘って隣町に廃墟になったビルがあるから肝試ししようぜ」

 「なるほど肝試しか、でも花火とかの方が良くない」

 「古典的だけど王道こそやっぱり最強だよ、自然と二人きりになれるし」

 「なるほど」ユウキはそうゆうものなのかなと一休を感心する。

 「まあクジの細工と葉隠は誘うのは任せてくれていいから人数は?」

 「とりあえず私と紅葉ちゃんぐらいかな来そうなの」

 「 了 解 」


 一休はやっぱり顔が広いし頼りになるなー、絶対に秘密とか言わないしね



 一休こと一松くんは知っていたんだけどね。紅葉ちゃんの気持ちも葉隠がユウキの事が好きな事も

なぜって?少し前に葉隠から似たような事を頼まれたからだよ・・・・・

 はたしてどうしたものかなと、両手の人差し指で頭を抱え込むのであった。

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